FP看護師パートナー協会イベント・セミナー

対人支援者向け問題解決力アップ1Day研修

なぜ研修を受けても現場で効果を感じられないのか?

こんなふうに感じたことはありませんか?

アンガーマネジメントやコーチング、カウンセリング技法を学んで「これで変われるかもしれない」と期待したのに、現場に戻るとまた同じパターンを繰り返してしまう。


「冷静に対応しなきゃ」と頭ではわかっていても、感情が先に反応してしまう。
「共感しすぎて疲れる」とわかっていても、つい引き込まれてしまう。

利用者さん、子ども、患者さんに対して感情的になってしまった自分に落ち込むこともある。
「支援者として失格じゃないか」「プロなのに…」という罪悪感に押しつぶされそうになることも。

それでも毎日、目の前の人のために力を尽くしており、その努力は本当に尊く、何より価値あるものです。

でも、もし今うまくいかないと感じているなら、それはあなたの努力不足ではなく、“今の支援の学び方やアプローチ”に限界があるのかもしれません。

現場で感じるリアルな葛藤

実際に多くの支援者から、こんな声を聞きます。

  • 「受容・傾聴・共感を心がけてきたけど、それだけでは根本的に変わらない」
  • 「困難事例にどう関わっていいのかわからない」
  • 「子どもたちの生きる力を引き出せていない気がする」

また、こんな不安も・・・

  • 「自分の関わりが偏っていて、逆に子どもに悪影響を与えているのでは…?」
  • 「レジリエンスを育てる支援が本当にできているのか疑問」
  • 「毎回、表面的なやり取りだけで終わってしまっている気がする」

従来のアプローチが限界を迎えている現実

こうした悩みは、長年「受容・傾聴・共感」が基本とされてきた支援の型に、限界が見えてきている証です。

  • 一時的な安心感はあっても、根本的な変化にはつながらない
  • 時間をかけても、問題が繰り返されてしまう
  • 支援者自身が疲弊し、バーンアウトや無力感に陥る

もしあなたが同じような壁にぶつかっているなら──
これまでの“支え方”を、そろそろ見直すタイミングかもしれません。

支援者あるある10選 – あなたはいくつ当てはまりますか?

以下のチェックリストで、自分の支援パターンを振り返ってみてください。

☐ 相手の気持ちに入りすぎて(共感しすぎて)、自分までしんどくなる
☐ 沈黙が気まずくて、ついしゃべりすぎてしまう
☐ 質問で傷つけてしまうんじゃないかと心配になり、踏み込めない
☐ このやり方、本当に効果あるのかな?といつも不安が残る
☐ なんとかしなきゃ!と気負ってしまう
☐ 頼られることで、自分の存在価値を感じてしまう
☐ 相手が変わらない(成果が出ない)と、自分の価値が下がる気がする
☐ 相手に嫌な気持ちになってほしくないから、言いたいことが言えない
☐ わかってもらいたくて、つい説明が多くなる
☐ クライエントのタイプによって、いつも通りの時間を提供できない(苦手なタイプがいる)

3つ以上当てはまった方は、支援者特有の認知の歪みが、現場での効果を制限している可能性があります。

知識だけだとうまくいかない4つの理由

支援技術の課題

① 知識は増えるのに、行動が変わらない「認知と感情の分断」

多くの研修や資格講座では、思考(知識)に働きかける方法が中心です。しかし、人の行動を支配しているのは、実は“無意識の感情”のほう。

例えば:

  • 「冷静に対応しなきゃ」と思っても、焦りや不安などの感情が先に反応してしまう
  • 「共感しすぎて疲れてしまう」と分かっていても、止められない

これは、「頭では分かっている」のに「心が追いついていない」状態です。感情と行動の土台を支える固定観念や信念が未整理のままでは、行動は変わりません。

② 自分の”支援のクセ”に気づけていない

支援者は、「誰かのために」という意識が強いからこそ、以下のような“支援する側の認知の歪み”を抱えやすいのが特徴です。

過剰に共感してしまう
相手を優先しすぎて自分を後回しにする
「答えを出さなければ」と焦ってしまう
相手が変わらないのは自分のせい

そしてこの歪みこそが、現場での行き詰まりや疲弊感の根本原因になっています。技術の前に、自分自身の”認知のクセ”を見直すことが、本当の変化の鍵になります。

③ 今の支援技術が「日本人の特性」に合っていないこともある

実は、日本人の約70%は、ネガティブな刺激に敏感な遺伝子(セロトニントランスポーターSS型)を持っています。ポジティブな反応が起こりやすいLL型は2~3%程度しかいません。逆に欧米はLL型を持つ人の割合は約30%もいると言われています。

70%
日本人(SS型)
ネガティブ刺激に敏感
30%
欧米人(LL型)
ポジティブ反応しやすい

そのため欧米発の理論や技法(ストレートな質問、ポジティブ前提の思考転換、コーチングなど)がそのままでは響かず、逆に「できない自分を責める」方向に向かいやすいのです。

“変われない”のではなく、”やり方が合っていない”だけ。

だからこそ、日本人の感性と文化背景に合った支援技術が必要なのです。

④ 感情のケアを飛ばして「行動」や「目標」だけを変えようとしている

アンガーマネジメントやコーチングは即効性があり、確かに有効です。しかし多くの人が“変化が続かない”と感じるのは、「でも…」「だって…」とすぐに頭によぎる認知のクセや、感情が未消化のまま次に進んでしまうから。

たとえば:

怒りを抑えるだけで、怒りの奥にある「悲しさ」には触れていない
目標を立てても、「無価値感」や「自己否定」が残っているまま

そうなると、行動が空回りし、心が追いつかず、やがてまた「私は変われない…」という無力感に戻ってしまいます。

支援の力を高めるために必要な3つの要素

現場で本質的な支援を届けるためには、技術や知識だけでなく、支援者自身の“あり方”が問われます。

以下の3つは、支援の力を飛躍的に高めるために欠かせない要素です。

1. ニュートラルな感情で関われること

「こうあるべき」「普通はこう」といった無意識の“当たり前”の視点から離れること。自分の価値観を脇に置き、相手の感じている世界に疑問をもつことができる支援者は、その方が抱えている本質的な問題を引き出すことができます。

2. 支援者自身が“安心・希望・信頼”を持っていること

支援者自身が「この人は大丈夫」「変われる」という感覚を、心の奥から持てているか。それがクライアントの変化の可能性を広げていきます。

3. 感情や認知を含めた“本音の対話”ができること

相手の言葉の裏にある「本当はこう言いたい」「でも言えない」といった感情の層にアクセスできる対話力が、表面的な関わりを超えた“深い支援”を可能にします。

リカバリーセラピーとは?―深層心理からの変化を促す技術

リカバリーセラピーは、目の前の問題を解決するだけでなく、「そもそも問題を生み出しにくい心の状態」へと整えていく技術です。
感情・思考・反応のクセを無理なく変えていくことで、繰り返していた問題が「越えられる課題」に変わっていきます。

なぜリカバリーセラピーは支援者にとって効果的なのか?

潜在意識下の反応がわかる
 クライアントの言葉の奥にある“本音”や“ブロック”を身体反応から読み取り、より自然な変化を促すことができます。

支援者自身の歪みも整う
 支援中に生まれる焦り、不安、空回り感…。その背景にある“支援者自身の認知のクセ”にも気づき、調整できるようになります。

日本人の感性に合ったやり方
 「共感しすぎて苦しくなる」「傷つけないか不安」など、日本人特有の繊細さに対応した安全なアプローチです。

感情から入るから、無理なく行動が変わる
 「考え方を変えましょう」と言わなくても、感情に丁寧に向き合うことで、自然と認知が変わり、行動が変わっていきます。

リカバリーセラピーで支援者にできるようになること

  • クライアントの「本音」と「建前」の違いを見抜ける
  • 表面的な言葉にとらわれず、“心の温度”を読み取れる
  • 自分の感情に巻き込まれず、安定して関われる
  • 言葉だけでは届かなかった人に“変化の実感”を届けられる
  • 支援者としての自己信頼と軸が育つ

だからこそ、このようなジレンマを抱えている支援者に取り入れてほしいと思っています。

  • 傾聴や共感を大切にしてきたけれど、それだけでは限界を感じている
  • クライアントがなかなか変わらず、「自分の支援はこれでいいのか」と悩んでいる
  • 感情に巻き込まれやすく、支援後にぐったりしてしまう
  • 「もっと深く支援したい」という気持ちはあるのに、踏み込めない

リカバリーセラピーは、支援する側もされる側も癒され、変われる技術です。
これまでのやり方に違和感や限界を感じている支援者こそ、新たな視点と手応えを得られるはずです。

実際の変化事例

1.「子どもが話してくれない」と思っていたけれど、実は「自分が本音を隠していた」ことに気づいた瞬間

子どもたちが何を考えているのかわからない、本当のことを話してくれないなと感じる日々が続いていました。でも、自分自身と向き合う時間を持つようになって、ハッとする瞬間があったんです。「本音を隠していたのは、実は私の方だったんだ」って。

弱音を吐いてはいけない、情けない姿を見せたくない、怒りや悲しみは抑えなければならない。そんな思い込みがいつの間にか心の奥に根付いていて、私自身が”しっかりした大人”を演じ続けていました。

でも、そんな私の姿勢が子どもたちにも 「本音は言っちゃダメなんだ」「気を遣わなきゃ」 という空気を作り出していたんですね。

思い切って自分の正直な気持ちや弱さを話してみると、子どもたちの表情がパッと変わりました。「先生でもそう思うことがあるんだ」「僕も実は…」と、驚くほど心を開いてくれるようになったんです。

💡 大切なのは、まず自分から心を開いていくこと。そのシンプルだけれど深い真実を、子どもたちが教えてくれました。

2.「何ができるか」ではなく「何を感じているか」を大切にしたら、患者さんとの関係が変わった

看護師として働いていた頃、どうしても「これをやってみませんか?」「こうすると楽になりますよ」といった解決策を提案することが中心になっていました。

でも、心理的なサポートの技術を学んで関わり方を変えてみたんです。「なぜそれが難しく感じるのでしょうか?」「今、どんなお気持ちですか?」そんな風に、その人の内側にある感情や想いを丁寧に聴くことを大切にしてみました。

すると、それまで「はい、わかりました」と表面的な返事しかしてくださらなかった患者さんが、少しずつ本当の気持ちを話してくださるようになりました。「実は不安で…」「家族には言えないけれど」そんな言葉とともに、本当はこうなりたいという想いも聞かせてくださるように。

人は誰かに本当の気持ちを受け止めてもらえると、自然と「じゃあ、こうしてみようかな」という前向きな気持ちが湧いてくるものなんですね。

💡 答えを与えて動かそうとするのではなく、その人の内側にある力を信じて寄り添う。その実感が、支援の仕事を心から楽しいと思えるきっかけになりました。

3.子どもにイライラしていたのは、実は私自身が「聴いてもらえていない」と感じていたから

「何回言ったらわかるの?」「どうしてやってくれないの?」毎日のように子どもに対してイライラしている自分がいました。そんな自分に嫌気がさして、「穏やかな子育てができない私はダメな母親だ」と自分を責めることも多くありました。

でも、ある時ふと気づいたんです。私自身も日々の中で「話をちゃんと聴いてもらえていない」「気持ちをわかってもらえていない」という寂しさを抱えていたんだって。

子どもにイライラするのは、実は子どもが 自分の心の鏡 になっていたから。私の中にある不安や孤独感が、子どもの行動を見るたびに表面化していたんですね。

この気づきから、まず自分の気持ちと向き合うことを始めました。「今日は疲れているんだな」「本当は誰かに甘えたいんだな」そんな風に自分の内側を認めてあげることで、不思議と子どもに対する見方も変わっていきました。

💡 「できない自分」もそのまま受け入れられるようになると、子どもの「できている部分」も自然と目に入るようになりました。完璧でなくても大丈夫。そう思えるようになったことで、親子関係がずっと楽になったんです。

共通して言えること

これらの体験を通して感じるのは、まず自分自身と向き合うことの大切さです。 自分の感情や想いを受け入れることで、自然と相手への見方も変わってくるのだと実感しています。 完璧である必要はありません。一歩ずつ、一緒に歩んでいけたらと思います。

対人支援者向け1Day研修プログラム

リカバリーセラピスト養成講座で扱っている内容の一部を実践を通し学んでいきます。

対人支援者向け研修プログラム – 目次

対人支援者向け1Day研修プログラム

本質的な変化を生み出すカウンセリング技術

【1】なぜ学んでも同じ問題を繰り返してしまうのか?

  • • 表面的な理解では変われない理由
  • • 記憶と認知機能のメカニズム

【2】悩みの構造理解感情・認知のルーツを読み解く

  • • 悩みは”出来事”ではなく、”認知”から生まれるもの
  • • 思考・感情・行動の相互作用
  • • 「怒り」の下にある本当の感情を見つける視点
  • • 家族関係・過去の体験・集合的無意識が与える影響

【3】支援に影響を与える支援者の認知の偏り

  • • 自分を守るために無意識に作った”思い込みのルール”
  • • 課題ドロボーと課題の分離

【4】”本音と建て前”を見抜く技術

  • • クライアントの言葉の裏にある”本当の声”を聴くための技術(キネシオロジーの活用)
  • • 表面的な話の奥にある「感情の熱量」の違いを体験

【5】実践ワーク

▽自分の悩みを深掘る

自身の感情・思考パターンを整理し、潜在的な観念に気づく

▽ペアワーク練習

キネシオロジーを用いて、潜在意識のYES/NO反応を確認。セッションの構造を意識しながら、効果的な質問技術を実践

▽グループワーク

他者の視点でのフィードバックを受けることで新たな気づきを得る

研修詳細

日程: ① 7月19日(土)10:00〜16:00(途中60分休憩)
    ② 8月 5日 (火)10:00〜16:00(途中60分休憩)
場所: ① ちえりあ札幌市内(詳細はお申し込み後にご案内)
    ② Zoom
参加費: 15,000円
定員: 6名(少人数・体感重視のため)
※養成講座の受講生も参加する場合があります。(こちらは定員人数には含めません)
個別練習:後日3回(各60分)の技術練習or個別セッションの時間があります。

こんな方におすすめ

看護師・保健師、臨床心理士・公認心理師、ソーシャルワーカー、教師・スクールカウンセラー、保育士・支援員、介護士・ケアマネジャーなど

※通常1~2年かけて受講生は実践練習を行い技術を身に着けています。そのため、1回の研修で完全にマスターできるものではない点はご理解ください。