2026年8月10日

2000万円稼いでも貯金が残らなかった理由

2000万円稼いでも、貯金が残らなかった。これは高梨子の実体験の話です。

これを読んでくださる方の中には、そんなに収入があっても貯金できないことに幻滅する人もいるかもしれません。

よく言えば、経済を回している、循環のいい人。

悪く言えば、あったらあっただけ使ってしまう人。

そんな評価もできますが、この「貯まらない状態」も細かく分解していくと、いろんな思考のクセが隠れています。

そこを言語化することで、根本的な問題が見え、その解決につなげられるようになります。

私が増やしたかったのは、貯金ではなく「選択肢」だった

私がFPの勉強をしたり、起業をしたのは、お金の面で選択肢を増やすためでした。

乳幼児を育てているとき、貯金がないこと、収入が少ないこと、シングルマザーとして夜勤をせずに看護師を続けることに限界を感じていたから、起業し、ずっと行動し続けてきました。

その結果、収入を増やすこともできるようになりました。

この頃から、**私の中の目標・目的は「選択肢を増やすこと」**でした。

「選択肢を増やす=貯金を増やす」ではない

でも、「選択肢を増やす=貯金を増やす」ではないんですよね。

貯金が増えれば、選択肢も増えます。

でも、その時々で選択肢を増やせるかどうかが重要だったので、収入があることで選択肢を増やせるなら、それで何の問題もなかったのです。

むしろ、私の中では、

貯金を増やす
=今、我慢することが増える
=選択肢を増やせない

という図式になっていました。

そのため、何にも変わらない貯金は、ただの数字。私の目的には合わない。

だから、いつまでたっても貯金が増えていかないわけです。

自分のためにお金を使うことへのネガティブイメージ

さらに、もう一つ。

私の根深い固定観念、マイルールが大きな影響をもたらしていました。

稼いだお金を、自分のために使うことにネガティブなイメージがあったんです。

✓ ことあるごとに旅行に行く
✓ ちょっとリッチな食事を増やす
✓ 服飾にお金をかける
✓ ブランド物を増やす
✓ キラキラ女子会

こうした贅沢な生活には、特にいいイメージがありませんでした。

むしろ、嫌悪感さえありました。

みんなの大事なお金(サービスを提供して得られたお金)を私利私欲に使う人は、傲慢な人。エゴの塊。

そんなイメージを持っているから、そう思われたくない。

だからこそ、自分の周りの人以上に質素な生活をしていました。

「自分だけ余裕があってはいけない」という罪悪感

周りの人から、

「生活が苦しい」
「今月もマイナス」
「いつも余裕がない」

そんな声を聴くたびに、

周りの人に還元しなきゃいけない。
どうすれば仕事を回せるか?
どうすればみんなが稼げるか?
みんなに余裕が生まれるために、私ができることは何か?
みんなが行きたいところに行けるように。
食べたいものを食べられるように。

そう考えていました。

そして、勝手に相手の課題を自分の課題にして、勝手に背負っていたんです。

周りの人が大変なのに、自分だけ余裕があってはいけない。

自分だけ楽しんではいけない。

そんな罪悪感さえ、勝手に感じていました。

自分の人生に、怒りと寂しさを感じた

でも、忙しくなったとき、ふと思いました。

「私が一番、時間の余裕がないだけじゃなく、生活の余裕さえないな。
自分は何も、自分のために時間もお金も使っていないな」

そこに怒りを覚え、自分自身の人生には寂しさを感じていました。

表面化していなかったから、自分では気づいていなかった。

でも実際は、自分で勝手に線を引き、ジャッジをして、背負っていただけ。

自分が描いていた生活を、自分でつくっていただけなんですよね。

勝手にイライラして、仕事がどんどん増えていって、周りの人がややこしい問題をどんどん持ってくる。

思うように収入を生み出すことへエネルギーを注げなくなり、余裕もなくなる。

まさに、悪循環のループに浸ってしまいました。

悪循環の中でも身についたもの

でも、この状況が悪いかというと、そうではありません。

「苦しい」と思うことそのものが、悪いわけじゃないんです。

むしろ、そう思えることに意味があります。

自分が苦しいことに気づいたとき、そこから見直しができるので、状況に合わせて対応を変えていけばいいのです。

苦しくならないようにと必要以上に準備しすぎることにも弊害があるので、どちらが正解というものでもありません。

私の場合、俯瞰してみると、この状況でも、たくさんのスキルが身についています。

たくさんの学びのエッセンスが、ここにはありました。

人の苦しさを捉え、動く力

・自分のためより、人のためのほうが動けてしまう推進力
・人の苦しさや困りごとを、敏感に察知する力
・「苦しい」の基準は、人によって違うと知れたこと

問題を解決し、形にする力

・目の前の問題を放置せず、解決方法を探し続ける力
・正解が分からない状況でも、まず動いてみる行動力
・一度決めたことを、粘り強く続ける力
・失敗や想定外が起きても、立て直そうとする回復力
・必要な知識を自分で探し、学び、実践に変える力
・ゼロから仕事やサービスをつくる力
・人の困りごとを、仕事や仕組みに変える力
・自分の経験や知識から、お金を生み出す力
・人に仕事を渡し、収入が生まれる場をつくろうとする視点
・お金を自分だけで抱えず、人や事業に循環させる力

お金と選択肢を捉え直す視点

・限られた時間やお金の中で、優先順位を決める経験
・収入が増えることと、安心が増えることは別だという理解
・収入が増えることと、資産が残ることも別だという理解
・お金を使う目的、貯める目的、増やす目的を分けて考える視点
・お金の使い方は、知識だけでなく感情や価値観に左右されるという実感

自己犠牲と境界線への気づき

・罪悪感が、お金の使い方や働き方を決めてしまうことへの気づき
・「自分だけ余裕があってはいけない」というマイルールへの気づき
・人の課題を、自分の課題として背負いやすい傾向への気づき
・支援することと、相手の人生を背負うことは違うという理解
・還元することと、自己犠牲は違うという理解
・与え続けるだけでは、いつか怒りや寂しさに変わるという経験
・イライラや疲労は、自分の器が小さい証拠ではなく、境界線を越えているサインだと知れたこと
・自分を満たすことも、周りを支えるために必要だと理解できたこと
・自分の生活を守ることは、私利私欲ではないと考え直す機会
・自分の望みを後回しにすると、誰かに頼まれていなくても不満が生まれるという理解
・自分で選んで与えることと、罪悪感に押されて与えることの違い
・お金を残すには、意思の強さではなく仕組みが必要だという学び

経験を、ほかの人の学びへ変える力

・経験を振り返り、言葉にして、ほかの人の学びへ変える力

現金が残らなくても、何も残らなかったわけではない

2000万円が現金として残らなかったことと、何も残らなかったことは、同じではありません。

もちろん、生活防衛資金や自由に動かせるお金が十分に残らなかったという現実はあります。

でも、使ったお金と引き換えに得た経験や能力、人とのつながりは増え、自己理解も深まっているんです。

次に資産を生み出すための材料になっているので、ポジティブなものでもあります。

お金という数字ではなくなっても、無形資産として残っています。

ただ、悪循環の渦中にいるときには、ついつい、マイナスに見えるものへ意識が向きやすいだけ。

だから、「失う」「奪われる」といった感覚になりやすいのです。

自分でコントロールできるものを増やす

私自身、「自分でコントロールできる状態を増やすこと」に使命感を持っていました。

今回の問題は、使命感が強いがゆえの偏りです。

自分でコントロールできない状況が苦しかった

この想いが強くなったのは、長男が1歳のとき、80時間を超える残業と夜泣きで、うつ状態になったことが一番大きなきっかけでした。

ただ、振り返ってみると、それだけではありません。

私が学生時代から心のバランスを崩し、自殺願望が出るときも、だいたい自分のやりたいことができないときや、自分でコントロールできない状況に置かれているときだったんです。

誰かに依存した状態だと、期待が失望に変わることが多々あります。

期待が強いほど、反動で失望感も大きくなるんですよね。

だから、心もポッキリ折れてしまいます。

依存を嫌ったからこそ生まれた強さ

だから、誰かに依存することを強く嫌いました。

それが、自分で道を切り開いていく強さにもつながりました。

危うさでもあるけどね。

それでも、自分でコントロールできるものが増えたことは、将来何があっても大丈夫という安心の土台になりました。

今までと同じ戦い方を続けなくていい

ただ、これをずっと続けたいわけじゃない。

そう思えるようになりました。

それで、次のステージがよりはっきりと見えてきたんです。

というよりも、今までとは状況がまるで変わっていることに改めて気づき、今までと同じ戦い方を続ける必要はないんだなと思えたんです。

守りたい人や関わる人が増えたからこそ、価値観が揺さぶられただけ。

「ここにとどまっている必要はないんだよ」というサインであり、メッセージ。

そこを感じられたとき、周りにいる人たちは、私が守るだけの存在ではなく、共に進んでいく仲間であり、頼れる人でもあるのだと受け入れられました。

そして、やりたいと思ったことを、もっとシンプルにやっていい。

やりたいことに没頭すると、時間もエネルギーも余る

と言っても、結局は仕事に関連することが、一番やりたいことなんですけどね。

今は、アプリ開発や新しい資格の取得に向けて没頭できたことで、逆に時間が余るようになりました。

そうすると、「これを今、届けたい!」と思ったことも、誰かの動きを気にせず自分で進められ、サクッと集客できて、数日で数十万円のお金がまた入ってきたり。

家事も、なんだかエネルギーが余ってしまって、普段やらないことまで始めちゃったり。

いろんなことが、軽やかにできるようになりました。

そして、呼吸も深くできるようになりました。

「今」だけを見て、価値を軽くしない

表面上は「数日」でも、その数日の後ろには、何年分もの努力と経験があります。

だから、「今」簡単にできること、伝えられることも、軽い価値だと扱う必要はないんですよね。

他の人にとっては、何年もかけて学び、経験しないと得られない知識だったりします。

AIやネット上にはたくさんの情報があるけれど、言葉にはたくさんの意味やエネルギーが込められています。

実際に体験した人の言葉には、分かりやすさや情報量だけでは測れない価値があります。

自分でコントロールすることから、自分で選ぶことへ

これまで話してきたように、以前の私は、自分でコントロールできる範囲を増やすことで、安心をつくろうとしていました。

人に任せるより、自分でやったほうが早い。

誰かに期待して失望するくらいなら、最初から自分でやる。

助けてもらえない可能性があるなら、助けがなくても進めるように準備する。

これは、私が生きていくために必要だった力です。

実際、この力があったから、シングルマザーになっても、働き方を変え、資格を取り、事業をつくり、収入を増やすことができました。

これらを否定する必要はありません。

自分を守るために必要な力だったけれど、その目的はもう十分に達成できたから、すべてをコントロール下に置く必要がなくなっただけなんです。

何を担い、何を任せ、何をやらないのか

何を自分で担い、何を人に任せ、何をそもそも引き受けないのかを、自分で選ぶこと。

それが、次の段階だったのだと思います。

自分でコントロールすることと、自分で選べることは、似ているようで少し違います。

コントロールしようとすると、予定どおりにいかない人や出来事が邪魔なものに見えてしまいます。

流れを自分で変えていくのか、流れに身を任せるのか。

自然のエネルギーを活用すれば、もっと軽く進んでいけます。

気づいた問題のすべてを、私が解決する必要はない

相手の課題を奪うこと。

これも、ある種のコントロールなのかもしれません。

相手が感じる不快感を軽減してあげたい。

相手が将来困らないように、「今、こうしておいたほうがいい」と手を差し伸べること。

視点を変えると、それは相手が創る未来に干渉することでもあり、相手の未来をコントロールしようとしていると考えることもできるのです。

気づくこと。
伝えること。
選択肢を示すこと。
必要な人や制度につなぐこと。

ここまでは、私ができることであって、相手がどう感じ、何を選び、どう行動するかは、相手の領域です。

見捨てるのではなく、ゆだねる。

これは一見、冷たいように思うかもしれませんが、冷たく突き放すわけではなく、

「ここから先は、あなたが選ぶところだよ」

と、その人の力を信じ、選択をゆだねることでもあると思うのです。

自分で自分の人生を決めて進むための力そのものを取り戻す支援でもあります。

結論、責任、課題、日常生活、働き方。

いろんなものを相手にゆだねていけると、焦ることが減ります。

相手には相手のペースがあり、どのルートを選ぶかによって、得られるものの順番も違います。

それでも、結果的には、その人が望んでいる人生に向かっているだけ。

そんなことが腹落ちすると、相手の課題も自分の課題もシンプルに受け止めることができ、「私がやりたいこと」「私にもできるけど、やりたくないこと」も見えてくるようになります。

今度は、自分も循環の中に入れる

私はこれまで、「自分で」お金や仕事を循環させようとしてきました。

誰かに仕事を渡す。
学ぶ機会をつくる。
困っている人を支援する。
事業へ投資する。

ただ、その循環の中に、自分自身が入っていなかったんですよね。

私は循環をつくる側。

周りの人が受け取る側。

そんなふうに、役割の線引きをつくってしまいました。

本当の循環は、一方向ではない

でも、本当の循環は、一方向ではありません。

与える人も受け取る。
支える人も支えられる。
働く人も休む。
人の願いを応援する人も、自分の願いを叶える。

受け取ることで、初めて循環になります。

自分も受け取る側に戻る

お金を受け取る。
時間を受け取る。
助けを受け取る。
楽しさを受け取る。
誰かに任せて生まれた余白を受け取る。

そして、その余白からまた、新しいものが生み出されていく。

ひらめきや直感から生み出されたものは、循環も速くなります。

人のために動くことをやめるのではなく、自分自身も循環の一員になっていく。ただそれだけ。

次は、稼ぐだけでも、与えるだけでもない

「自分がやらなければ」と、必要以上に背負う経験も必要な場面があります。でもずっとそれを続ける必要はありません。

「自分に」できること、やりたいこと、興味のあることを続けていった先に、気持ちよく価値を交換し合える関係が増えていきます。

気持ちよくやり取りができると、お金も気持ちよく巡っていきます。

お金という数字への評価や捉え方は、セルフイメージやお金の扱い方に直結します。

うまくいかないことが、悪いわけではありません。

「うまくいかないな」と思ったときに、何に対してそう思っているのか、何を感じているのか。

もう一歩細かく分解してみてくださいね。

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