【相談事例】人と深く関わる事への恐れ:リカバリーセラピーでの変化

匿名女性 1回目のリカバリーセラピー

人との関係性において、深く関わる事へのこわさは、具体的にすると、仲が深まると相手に無理難題を言いそうでこわいということでした。

このようなお悩みに関してよくある返答としては

きっと「相手に無理なこと言っちゃうかも」とか思うってことは、すごく相手のこと考えられる優しい人なんだと思う。

でも、仲良くなったらお互いにちょっとわがままになったり、頼ったりするのってよくあるし、無理なお願いかどうかは、相手が判断することでもあるし、自分でそんなに気にしすぎなくても大丈夫。

それに、そういうのがあったとしても、本当に仲良しだったらちゃんと話せると思うし、ダメならダメって言ってくれると思うよ。
全部自分で抱えようとしなくていいし、必要以上に心配しなくても大丈夫じゃないでしょうか?

ちょっとずつ、まずは「お願いしてもいいかな?」って軽く聞いてみるところから始めたらどう?
深く関わるのが怖いってことは、それだけちゃんと人との距離を大事にできる人だと思う。

頭で理解していても、解消できていないから繰り返してしまう。

「それができたら苦労しないよ」「また自分が考えすぎって片づけられた」「結局、私の感じてるこわさって伝わってない気がする」「頭ではわかってるけど、感情がついてこないんだよ…」

理屈や正論ではなく、体感的な変化がないから、悩み続けてしまうのです。同じ場面になったら体が先に反応して「相談しない」という選択をしてしまうので、反射的に反応してしまう部分へのアプローチが必要になります。

悩みの本質はありのままの自分を受け入れられない失望感

この悩みの背景には、自分の本心で思っていることが相手とは異なるから。それが相手にとって受け入れられない事であるという思いを持ち、どちらかが自己犠牲になってしまう。ずっと交われないような感覚すらも感じている。

それは、本心などは嫌なもの、汚いものというイメージがあり、汚いものは見せられないという強い思いに。嘔吐恐怖やパニック、揉め事が嫌いといった現象としても現れています。

そして、「誠実に関わりたい。」と思うのは、がっかりしたくない、されたくないから。
自分の意見を言うということが、自分勝手、相手を尊重していないと思ってしまうから嫌悪感も感じていました。
でも、本心を言っていない自分はずるい、誠実ではないという思いも持っていて、言う言わないの葛藤は強かったのではないでしょうか。

ご自身が感情を出す人に対して嫌悪感を持っているからこそ、自分の意見を言うことや、ありのままの自分は受け入れられない。そんな苦しさになっていたのでしょう。

この思いや、認知の偏りができた原因の一つに中~高校のエピソードがありました。
仲のいい友達がいたが、家庭が苦しい子でいろいろ話を聞いたりしていた。でも、「恵まれている人にはわからない」と言われ、理解できないと、同じじゃないと助けることができないんだ。と無意識で捉えてしまい苦労する方を選んできてしまった。

そしてこの一連の流れがあるからこそ、異なる意見を出せないでいたのだと思います。

ありのままの自分は受け入れられない失望感。

▼セラピストのメモ(悩みの構造を整理)

【認知の偏り=悪】ではない

「ありのままの自分では、受け入れられない」失望感が、奥深いところで当たり前の考え方になっていると、世間や身近な人から「認められる自分」「否定されない自分」を意識的・無意識的に作ってしまいます。自分で自分自身を失望したくない。周りから失望されたくない。自分も周りに対して失望したくない。というように3方向の矢印で、認知が偏っていきます。

しかし、その認知の偏りがすべてネガティブかというと、そうではありません。
その思いや感情があるからこそ、頑張ってきたこと、出来ていたこともたくさんあるのです。

ただ、認知バイアスがかかり、ネガティブな方ばかり見てしまうので、苦しさとして感じてしまいます。

①頑張ってきたこと/出来ていたこと(ポジティブ面)

  • 人の期待に応えようと努力してきた
     → 誠実、責任感が強い、信頼される存在に
  • 感情を抑え、状況を客観視するクセがついた
     → 混乱時に冷静に動ける、ピンチに強い
  • 自分を高めようと常に自己改善・学びに取り組んできた
     → 成長志向が強く、自己管理力も高い
  • 相手の気持ちを先に考える思いやりがある
     → 共感力が高く、相談されることが多い
  • 他人の評価を意識して行動することで、人に安心感を与えてきた
     → “しっかり者”“頼られる人”というポジションを築いた

② 苦しくなっていたこと/出来ないと思っていたこと(ネガティブ面)

  • 自分の本音や弱さを言えない(言ったら理解されないのではという恐れ)
     → “安心できる人間関係”が育ちにくい
  • 他人の目を気にしすぎて、やりたいことや好きなことを抑えてきた
     → 自分の感覚がわからなくなる
  • 自己評価が低く「頑張っても足りない気がする」
     → 達成感よりも疲労感が残る
  • 褒められても素直に受け取れない
     → 「偶然うまくいっただけ」「本当の私は違う」と否定してしまう
  • 自分の中に「演じている感覚」や「空虚感」が残る
     → 安心感のない成功や人間関係が多い

このように、私たちの想いはポジティブ・ネガティブ両方に影響を与えています。苦しさがある段階で、ポジティブ面の事を言われても受け入れることが難しいということも多いですが、ニュートラルに物事を捉えられるようになってはじめて、自分自身の良い面も受け入れられるようになります。

リカバリーセラピーでの変化

感情や捉え方のクセは、日々当たり前のように感じているものなので、思考パターンとして刷り込まれていることが多いです。

セッションの直後だと、感覚が変わった実感・体感を感じにくいこともあります。、時間がたった時にふと、同じようなことを考えても、いつもの考え方ではなくなっている。そんな小さな変化を感じられるケースが多いです。

この小さな変化の積み重ねで、1か月後、3か月後、6か月後・・・と時間がたった時、様々な場面での変化が起きていることを感じられます。

感情と身体面の変化

・不安 -40%
・悲しみ -40%
・落ち込み -20%
・孤独感 -20%
・思考の混乱 -20%
・頭痛や肩こり -40%
・食欲がある -20%
・楽しいと思えることができている +20%

 

リカバリーセラピーは、recovery=回復、元に戻るという意味からとっています。

苦しい感情がニュートラルな状態に戻るだけではなく、身体的症状の改善にもつながっている。この変化も体感できる事例をもっと増やしていきたいと思っております。

さいごに

「ありのままの自分では受け入れられない」という思いが、長年の努力や優しさにつながっていた一方で、深い孤独や苦しさも生んでいました。リカバリーセラピーは、そんな“思い込み”を少しずつゆるめ、自分らしく生きる力を取り戻すプロセスです。焦らず、変化の芽を大切にしていきましょう。

カウンセリングでは変わらない・認知や思考のクセを修正し、繰り返す問題を断ち切る。

30分で根本問題を理解できるスキルを体験していきます。

・LINEオープンチャット
・毎月無料のオンラインセミナー/交流会
・4都市開催のリアルセミナー・交流会

▼リカバリーセラピー

・頭でわかっていても変えられない
・特定の人へのイライラ・憎しみが強い
・人間関係の問題を繰り返してしまう

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