カウンセラーはクライアントの悩みを聞き、心に寄り添う大切な役割を担っています。
その反面、自身も悩みやストレスを抱えやすい職業です。
心身のバランスを崩してしまうと、クライアントに良質な支援を提供できません。
カウンセラーが心身を整えるうえで重要なのが「カウンセラーのカウンセラー」、つまりスーパーバイザーや同業者の支援です。
この記事では、
- カウンセラーが抱える悩みの主な原因
- 「カウンセラーのカウンセラー」がどのように役立つのか
- 「カウンセラーのカウンセラー」の探し方
について解説します。
心の健康を保ちながら、プロフェッショナルとして活躍し続けるための第一歩を踏み出しましょう。
目次
4.認知行動療法をベースにした深堀りの技術が学べる体験講座を実施中
カウンセラーが悩みを抱える主な3つの原因
カウンセラーが悩みを抱える原因を、大きく3つに分けてお伝えします。
- 共感疲労しやすい
- 相談内容に対し重責がかかる
- 孤立感を抱えやすい
1)共感疲労しやすい
共感疲労とは、他者の感情を自分のことのように感じ、精神的にも身体的にも疲れ果ててしまう現象です。
カウンセラーは他者の問題や苦痛に向き合う職業です。
クライアントに寄り添う過程で共感しすぎると、相手のトラウマや苦痛を自分ごととして受け止めてしまうリスクがあります。
もし疲労感がいつまでも抜けない、クライアントに対して無関心になる、不眠や頭痛などの症状があるなどといった場合は共感疲労に陥っているサインかもしれません。
共感疲労を防ぐための対策をより詳しく知りたいかたは、以下の記事もご参照ください▼
「カウンセラーがクライエントの感情に引きずられる」対策とメンタルケア
【カウンセリング・マインド4つの基本姿勢】メリットと活用事例
2)相談内容に対し重責がかかる
カウンセラーが向き合う悩みは軽度のものだけではありません。
なかには、DVや虐待、トラウマなどで心に深い傷を負った相談者もいます。
ケースが重ければカウンセリングによって相手の傷を深めないよう、慎重な対応と判断が必要です。
またクライアントやその家族から「解決してくれる存在」として過剰な期待を受けることもあるでしょう。
これらはカウンセラーの心理的な負担やプレッシャーを増大させる要因になります。
3)孤立感を抱えやすい
カウンセリングは個人情報を取り扱うため、相談内容を他人と共有するのが難しい側面があります。
また、カウンセラー自身が心のケアを受ける機会が少ないことも問題です。
定期的なスーパービジョンや同僚との情報共有が不十分だと、仕事に対する不安や孤立感が増していきます。
さらに日本ではカウンセラーという職業に対して、まだまだ周囲の理解が追いついていないのが現状です。
そのため「ただ話を聞いているだけ」という誤解が生まれやすいのも、孤立感を深める一因になっています。
カウンセラーがカウンセリングを受けるメリット
クライアントに質の高い支援を提供するには、カウンセラー自身のメンタルケアが必須です。
ここからは、他のカウンセラーや専門家から定期的なスーパービジョン(指導)やサポートを受けることで得られるメリットを、以下の通り解説します。
- 客観的な視点を得られる
- 感情的な負担の軽減
- 孤立感の解消
- カウンセリングスキルの向上
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1. 客観的な視点を得られる
自分の中に抱えている感情や問題は、内観だけでは視点が偏りがちです。
カウンセラー自身も他のカウンセラーに思考や感情をアウトプットすることで、頭の中が整理されます。自分の問題を外から眺める感覚が得られるでしょう。
また他のカウンセラーは自分と違う経験や知識、視点を持っています。
自分では気付けなかった思考パターンに気づけると、客観的な視点を得られます。
2. 感情的な負担の軽減
カウンセラー自身が抱える感情的なストレスは、自分の未解決の問題が引き金になっていることもあります。
他のカウンセラーとのセッションでは「なぜそう感じるのか?」と問題の原因を探れるので、気持ちが軽くなる効果があります。
カウンセラーもクライアントと同様、感情やストレスを言語化し整理が進めば、心理的な開放感が得られるでしょう。
3.孤立感の解消
同じ職業のカウンセラーなら、仕事上の苦労や葛藤を深く理解してくれます。
「誰かにわかってもらえた」という安心感は孤立感をやわらげ、感情的な支えとなるでしょう。
とくに個人開業のカウンセラーは同僚と交流する機会が少ないため、孤立感を抱えることが多いかもしれません。
他のカウンセラーへの相談をきっかけに、今後も頼れるネットワークが築けると、慢性的な孤立感を感じにくくなります。
4.カウンセリングスキルの向上
他のカウンセラーのセッションを受けると、そのカウンセラーの話の聴き方や質問のしかた、フィードバックの方法などを体験できます。
その中で、自分のカウンセリングに活かせる新たな技法や視点を得られるのも、大きなメリットです。
またクライアントの立場を経験すると、クライアントへの共感力や対応力が向上するのでカンセリングスキルが上がります。
「カウンセラーのカウンセラー」を探す方法
スーパービジョンやサポートを受けるには、対応してくれるカウンセラーを探す必要があります。
以下、相談できるカウンセラーの探し方を3 つご紹介します。
- 専門団体を通じて探す
- オンラインプラットフォームを利用する
- 知人やSNS、コミュニティを活用する
1.専門団体を通じて探す
はじめに、臨床心理士や学会認定の心理士を対象にしたスーパービジョンの仕組みからご紹介します。
心理カウンセラーの各専門団体では、カウンセラーのカウンセラーとしてスーパーバイザー(指導者)の紹介サービスを提供しています。以下は、その一例です。
いずれもスーパービジョンを受けるには、各団体の会員であることが条件です。
団体 | 対象 |
日本臨床心理士会 | 日本臨床心理士会の会員である臨床心理士 |
日本カウンセリング学会 | 学会に所属する会員(心理学検定2級以上) |
2. オンラインプラットフォームを利用する
最近では、オンラインカウンセリングのプラットフォームを通じてスーパービジョンを受けられます。
臨床心理士などの資格を持たないカウンセラーでも、気軽に利用できるのが特長です。
たとえばcotree(コトリー)というサイトでは、オンラインの心理カウンセリングやスーパービジョンを提供しています。
臨床心理士や産業カウンセラーなどカウンセリングのプロが多数在籍しているのが特徴です。
当協会でも、セラピストによる無料セッションや無料セッション付きの体験講座を実施しております。
元・現役看護師や、カウンセラーへのアドバイス実績が豊富なセラピストが複数在籍しています。同業者からのフィードバックを受けたいカウンセラーの方も、お気軽にご利用ください。
3. 知人やSNS、コミュニティを活用する
信頼できる知人を通じて、スーパーバイザーや相談できるカウンセラーを紹介してもらうのも一つの方法です。
またSNSグループやオンラインフォーラムなどを通じて、相談できるカウンセラーを探すのもよいでしょう。
その場合は、個人情報の取り扱いや専門性の確認に注意が必要です。
認知行動療法をベースにした深堀りの技術が学べる体験講座を実施中
カウンセラーが同業者や専門家からの適切なサポートやスーパービジョンを受けることで、より良い支援が可能になります。
カウンセラーが自分自身をケアすることは、クライアントをケアするのと同じくらい重要です。
もしあなたがカウンセラーとして支えを必要としているなら、無料セッション付きの体験講座か、3回まで無料のセッションをぜひご活用ください。
当協会では、 セラピストによる認知行動療法をベースとしたセッションサービスを提供しております。
読心術との組み合わせにより、顕在化している悩みの元になっている原因を、短時間で深堀りして見つけられます。一般的なカウンセリングとの違いは、以下の表をご参照ください。
あなた自身のケアが、さらに多くの人を癒す力へとつながるはずです。
同業者のサポートやアドバイスを受け、深堀りの技術を学び、カウンセラーとしてスキルアップを目指してみてはいかがでしょうか。