最終更新:2026年8月28日
DePINでトークン報酬を受け取ると、管理画面上の枚数は増えていきます。
けれど、その数字を見ただけでは、
「今年の収入はいくらなのか」
「必要経費を引いた後の所得はいくらなのか」
「売却したときに、さらにどれくらい利益が出たのか」
まではわかりません。
同じ8,000枚でも、1枚100円のときに収入計上するのか、1,000円のときに収入計上するのかによって、円換算した収入金額は大きく変わります。
さらに、複数回に分けて報酬が発生した場合、売却時の取得価額を「最初にもらった分から売った」と考えるわけではありません。
個人が総平均法を使う場合は、1年間に取得した同じ種類のトークンをまとめて平均単価を計算します。
今回は、仮想の「Aトークン」を使い、報酬を複数回取得した場合の収入金額、必要経費、総平均単価、売却益・売却損を、具体的な数字で計算していきましょう。
目次
Toggleこの記事の前提
以下は、DePIN報酬の税務計算を理解するための仮想例です。
実在するプロジェクトの報酬額、トークン価格、運用口数、将来の収益を示すものではありません。
また、計算をわかりやすくするため、次の条件を設定します。
- 日本に住む個人の例
- Aトークンは、日本法上の暗号資産に該当すると仮定
- 年初のAトークン保有数は0枚
- 前年からの繰越はない
- Aトークンを購入した取引はない
- 他のトークンとの交換はない
- 1年間に複数回、合計8,000枚の報酬を取得
- 個人が総平均法を使用
- 当年の必要経費として認められた金額は100万円
- 売却は8,000枚すべての取得後に実施
- 報酬部分と売却部分が同一年に発生
ここでいう「収入計上日」は、単にClaimボタンを押した日とは限りません。
前回の記事で整理したように、報酬条件、数量の確定、失権条件などを確認し、収入すべき権利が確定したと判断した日を使用します。
国税庁は、マイニング、ステーキング、レンディングなどによって暗号資産を取得した場合、取得時点の時価を総収入金額に算入し、その活動に必要だった費用を必要経費に算入する取扱いを示しています。DePIN報酬について同じ処理になるかは、報酬の性質やトークンの法的区分も含めて個別に確認する必要があります。
1.最初に「収入・所得・評価額・現金」を分ける
DePINの計算がわかりにくくなる理由の一つは、異なる数字をすべて「利益」と呼んでしまうことです。
まずは、4つに分けます。
収入金額
報酬として得た経済的価値です。
今回の仮想例では、
報酬数量×収入計上時のAトークン価格
で計算します。
所得金額
収入金額から、その収入を得るために必要だった経費を差し引いた金額です。
報酬の収入金額-必要経費=報酬による所得
となります。
評価額
現在保有しているトークンを、その時点の市場価格で見た金額です。
たとえば、5,000枚を持っていて、現在価格が1枚300円なら、評価額は150万円です。
ただし、評価額150万円と、税務上の所得150万円は同じではありません。
現金
実際に日本円として使える金額です。
トークンを100%ロッキングしている場合、評価額が大きくても、手元の現金はほとんどないことがあります。
つまり、
収入がある
=所得が同じ金額ある
=評価額が同じ
=現金がある
ではありません。
ここを分けるだけでも、税金と資金繰りをかなり整理しやすくなります。

2.複数回の報酬は、数量とその時点の価格を記録する
Aトークンの報酬について、1年間に次の4回、収入計上が必要になったと仮定します。
| 収入計上日 | Aトークン数量 | その時点の価格 | 収入金額 |
|---|---|---|---|
| 1月31日 | 1,000枚 | 100円 | 100,000円 |
| 4月30日 | 1,000枚 | 300円 | 300,000円 |
| 7月31日 | 4,000枚 | 600円 | 2,400,000円 |
| 10月31日 | 2,000枚 | 1,000円 | 2,000,000円 |
| 合計 | 8,000枚 | - | 4,800,000円 |
計算は次のとおりです。
1月
1,000枚×100円=10万円
4月
1,000枚×300円=30万円
7月
4,000枚×600円=240万円
10月
2,000枚×1,000円=200万円
合計すると、
10万円+30万円+240万円+200万円
=480万円
この例における、報酬の収入金額は480万円です。
8,000枚という記録だけでは計算できない
同じ8,000枚でも、価格によって収入金額は変わります。
そのため、枚数だけを残していても足りません。
少なくとも、
- 収入計上日
- 取得数量
- その時点の価格
- 円換算額
- 価格情報の取得元
- 報酬の種類
- 管理画面のスクリーンショット
をセットで残します。
「年間で8,000枚もらった」という記録だけでは、480万円という収入金額を後から再現できないんですよね。
3.報酬として計上した金額は、Aトークンの取得価額にもなる
報酬としてAトークンを取得した場合、収入として計上した円換算額は、その後、そのAトークンを売却するときの取得価額にもつながります。
今回の例では、
- 取得数量:8,000枚
- 取得価額の合計:480万円
です。
この480万円をもとに、総平均単価を計算します。
総平均単価の計算
480万円÷8,000枚
=1枚600円
したがって、この年のAトークンの総平均単価は600円です。
国税庁は、暗号資産の譲渡原価を計算する際、暗号資産の種類ごとに総平均法または移動平均法を使用するとしています。評価方法の届出をしていない場合は、総平均法になります。
4.価格を単純に平均してはいけない
今回、Aトークンの価格は、
- 100円
- 300円
- 600円
- 1,000円
と変化しています。
これを単純に平均すると、
(100円+300円+600円+1,000円)÷4
=500円
になります。
しかし、この500円は取得価額の計算には使いません。
なぜなら、それぞれの価格で取得した枚数が違うからです。
今回の取得数量は、
- 100円で1,000枚
- 300円で1,000枚
- 600円で4,000枚
- 1,000円で2,000枚
です。
600円と1,000円の価格帯で多くのトークンを取得しているため、数量を反映した総平均単価は600円になります。
単純平均
価格だけを平均する
=500円
総平均単価
取得価額の合計を、取得数量の合計で割る
=600円
ここは、暗号資産の計算でよく起こる間違いです。
平均価格は、価格の数字だけを足して割るものではありません。
数量と金額を一緒に見ます。

5.必要経費100万円を差し引く
次に、報酬の収入を得るために必要だった経費を差し引きます。
今回の仮想例では、当年の必要経費として認められた金額を、合計100万円とします。
たとえば、次のような費用です。
- ノードの運用委託費
- サーバー、VPS、クラウド等の費用
- 通信費
- 報酬受取に直接必要だったガス代
- 会計ソフトや税務計算サービス
- 税理士等への報酬
- 業務用パソコン等の当年分の減価償却費
- DePIN運用に直接必要なその他の費用
ただし、100万円を支払ったから、その全額が自動的に必要経費になるわけではありません。
私用部分が含まれている通信費やパソコン代は、業務に必要な部分を明確に分ける必要があります。また、使用期間が1年以上で一定金額を超えるパソコン等は、購入年に全額を必要経費へ入れず、減価償却によって複数年に分けて費用化する場合があります。
報酬による所得
報酬の収入金額480万円
-必要経費100万円
=報酬による所得380万円
ここで出た380万円は、税金そのものではありません。
所得税の計算では、給与など他の所得と合計したうえで、社会保険料控除、扶養控除、基礎控除などを反映し、課税所得を求めます。
また、所得区分が雑所得なのか事業所得なのかによって、青色申告、損益通算、赤字の取扱いなども変わります。
6.同じ8,000枚でも、価格によって所得は大きく変わる
年間の必要経費を100万円として、8,000枚の総平均単価が異なる場合を比較してみます。
| 8,000枚の総平均単価 | 報酬の収入金額 | 必要経費 | 差引後の金額 |
|---|---|---|---|
| 100円 | 800,000円 | 1,000,000円 | ▲200,000円 |
| 300円 | 2,400,000円 | 1,000,000円 | 1,400,000円 |
| 600円 | 4,800,000円 | 1,000,000円 | 3,800,000円 |
| 1,000円 | 8,000,000円 | 1,000,000円 | 7,000,000円 |
受け取ったトークンは、すべて8,000枚です。
それでも、差引後の金額は、
- ▲20万円
- 140万円
- 380万円
- 700万円
と、大きく変わります。
ここからわかるのは、トークン報酬では「何枚受け取ったか」だけでなく、
どの価格のときに、何枚について収入計上が必要になったのか
が重要だということです。
赤字なら給与から引けるとは限らない
総平均単価100円のケースでは、
収入80万円-必要経費100万円
=20万円の赤字
となっています。
しかし、これが雑所得の赤字である場合、給与所得など他の所得から差し引くことはできません。雑所得の計算上生じた損失は、他の所得との損益通算の対象外です。
「経費の方が多いから、給与の税金が安くなる」
と自動的に考えないよう注意が必要です。
7.Aトークンを複数回売却した場合
次に、取得した8,000枚のうち、3,000枚を同じ年に売却したとします。
総平均単価は600円です。
| 売却日 | 売却数量 | 売却単価 | 売却額 | 取得価額 | 手数料等 | 売却損益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 11月15日 | 1,000枚 | 300円 | 300,000円 | 600,000円 | 5,000円 | ▲305,000円 |
| 12月20日 | 2,000枚 | 1,000円 | 2,000,000円 | 1,200,000円 | 15,000円 | 785,000円 |
| 合計 | 3,000枚 | - | 2,300,000円 | 1,800,000円 | 20,000円 | 480,000円 |
11月15日の売却
売却額
1,000枚×300円=30万円
取得価額
1,000枚×600円=60万円
手数料等
5,000円
30万円-60万円-5,000円
=30万5,000円の損失
12月20日の売却
売却額
2,000枚×1,000円=200万円
取得価額
2,000枚×600円=120万円
手数料等
1万5,000円
200万円-120万円-1万5,000円
=78万5,000円の利益
年間の売却損益
▲30万5,000円+78万5,000円
=48万円の売却益
売却の際に直接支払った手数料は、売却損益の計算に反映します。国税庁の総平均法用計算書も、収入金額から売却原価や手数料等を差し引いて所得金額を計算する構造です。

8.「何月にもらったトークンを売ったか」は考えない
11月に1,000枚を売却したとき、
「これは1月に100円でもらった1,000枚を売った」
と考えたくなるかもしれません。
しかし、総平均法では、そのように受取ロットと売却を対応させません。
同じ種類のAトークンを年間で一つのまとまりとして扱い、総平均単価600円を使います。
したがって、11月に売却した1,000枚の取得価額は、
1,000枚×600円
=60万円
です。
1月に取得した価格100円を使って、
1,000枚×100円=10万円
とするわけではありません。
総平均法では、年初残高とその年に取得した同じ種類の暗号資産の取得価額を合計し、総数量で割って1単位当たりの取得価額を計算します。移動平均法を選択している場合は、取得のたびに平均単価を更新するため、計算結果が異なることがあります。
9.報酬部分と売却部分を合わせるといくらになる?
今回の例では、
報酬による所得
380万円
売却益
48万円
となりました。
説明を簡単にするため、両方が同じ年に発生し、同じ所得区分の中で集計されると仮定すると、
380万円+48万円
=428万円
です。
ただし、428万円は納税額ではありません。
所得控除前の所得であり、給与所得など他の所得も含めていません。
また、DePIN活動の報酬が事業所得または業務に係る雑所得となり、その後のトークン売却益が別の所得区分になる場合には、単純に同じ欄で合算できない可能性があります。
そのため、実際の申告では、
- DePIN活動の報酬
- 必要経費
- トークン売却益
- トークン売却損
- それぞれの所得区分
を分けて整理します。
10.報酬時と売却時で計算しても、二重課税ではない
報酬としてAトークンを取得したときに480万円の収入を計上し、その後、売却時にも損益計算をすると、
「同じトークンに2回税金がかかるのでは?」
と感じるかもしれません。
けれど、同じ価値へ二重に課税しているわけではありません。
報酬取得時
活動の対価として得た価値を計算する
売却時
取得後に価格が上がったか、下がったかを計算する
今回の総平均単価は600円です。
1枚1,000円で売却した場合、
1,000円-600円
=400円
この400円部分が、取得後の値上がりです。
一方、1枚300円で売却した場合は、
300円-600円
=▲300円
となり、取得後に値下がりしたことを表します。
報酬時に計上した600円を、売却時の取得価額として差し引くからこそ、同じ600円へ再び課税しない構造になっています。
11.売却が翌年なら、前年の報酬所得とは別に計算する
今回の例では、8,000枚を取得した年と同じ年に3,000枚を売却しました。
では、売却せずに翌年まで持ち越した場合はどうなるのでしょうか。
8,000枚のうち3,000枚を売却したため、残りは5,000枚です。
総平均単価は600円なので、翌年へ繰り越す取得価額は、
5,000枚×600円
=300万円
です。
翌年、1枚100円で売却した場合
売却額
5,000枚×100円=50万円
取得価額
300万円
手数料を考慮しない単純計算では、
50万円-300万円
=250万円の損失
となります。
しかし、この250万円の損失は翌年分です。
前年に計上した報酬による所得380万円へ戻って、自動的に差し引くことはできません。
また、雑所得として生じた損失であれば、給与所得など他の所得との損益通算はできません。
ここに、DePIN報酬の大きな注意点があります。
前年は高い価格で収入を計上した。
翌年は価格が大きく下がった。
それでも、前年の税金は前年の所得をもとに計算される。
トークン価格が下がってから納税資金を準備しようとすると、必要な日本円を確保できないこともあるんですよね。
12.価格が高いときほど、納税資金を先に考える
今回の価格別シミュレーションでは、総平均単価が1,000円の場合、8,000枚の報酬収入は800万円でした。
必要経費100万円を引いても、差引後は700万円です。
ところが、その8,000枚をすべてロッキングし、納税までの間に価格が100円へ下がると、現在の評価額は80万円になります。
差引後の所得は700万円。
現在のトークン評価額は80万円。
このようなずれが起こる可能性があります。
もちろん、実際の税額は他の所得や所得控除によって変わります。
それでも、収入計上時の価格が高かった場合は、
- 一部を現金化する
- 納税用の現金を別口座へ移す
- 住民税や国民健康保険料の増加も見込む
- 全量をロックする前に資金繰りを確認する
といった準備が必要です。
利益の計算と、現金の管理は別の作業です。
13.必要経費と取得価額を混ぜない
暗号資産やDePINでは、ガス代や手数料をすべて「経費」として同じ欄に入れてしまうことがあります。
けれど、取引の目的によって処理が変わります。
報酬を受け取るためのガス代
報酬を得るために直接必要だった費用として、必要経費になる可能性があります。
Aトークンを購入するための手数料
購入時の取得価額へ含めて計算するのが基本です。国税庁も、暗号資産を購入するために要した手数料は取得価額へ加算するとしています。
売却時の手数料
売却損益を計算するときに、売却へ直接要した費用として差し引きます。
ウォレット間移動のガス代
業務上必要な移動なのか、私的な資産移動なのかによって判断が変わります。
ライセンスや業務用機器の購入費
支払った年に全額を必要経費へ入れられるとは限りません。
権利の内容、利用期間、取得金額、譲渡可能性などにより、資産計上、減価償却、前払費用等の検討が必要です。
「支払った=その年の経費」ではなく、
何のための支払いか
何を取得したのか
何年間使うのか
を確認します。
14.雑所得か事業所得かで、赤字の扱いも変わる
個人の暗号資産取引による利益は、原則として雑所得に区分されます。
国税庁の現行FAQでは、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合、
- 帳簿書類の保存がある場合は、原則として事業所得
- 帳簿書類の保存がない場合は、原則として業務に係る雑所得
という整理が示されています。
ただし、帳簿があっても営利性が認められない場合などは、個別判断となります。
ここで注意したいのは、DePIN報酬が単なる暗号資産売買とは限らないことです。
ノードの運用、監視、検証といった活動の対価である場合は、まず報酬の性質を確認する必要があります。
一般的な事業所得かどうかは、活動が社会通念上、事業といえる程度で行われているかを総合して判断します。開業届を出したことや、収入が300万円を超えたことだけで決まるものではありません。
所得区分によって、
- 雑所得の赤字を給与から引けるか
- 青色申告を利用できるか
- 純損失を繰り越せるか
- 必要経費として認められる範囲
- 帳簿や申告書類
が変わります。
節税のために先に所得区分を選ぶのではなく、実際の活動内容から判断することが大切です。
15.20%の分離課税になっても、報酬と売却は分けて考える
令和8年度税制改正では、一定の「特定暗号資産」を対象となる暗号資産取引業者へ譲渡した場合、その譲渡所得等を20%の申告分離課税とし、一定の損失について3年間の繰越控除を認める枠組みが示されています。
制度の前提となる金融商品取引法・資金決済法の改正法は、2026年7月15日に成立しています。
ただし、2026年8月28日時点で、
「すべての暗号資産所得が一律20%になった」
という意味ではありません。
対象となる暗号資産、取引相手、取引方法、適用開始時期を確認する必要があります。
また、仮にAトークンの売却益が将来の分離課税の対象になっても、
- DePIN活動によって報酬を得たときの収入
- 受け取ったトークンを後から売却したときの損益
は別の出来事です。
ネットワークへ役務を提供した対価まで、すべて売却益と同じ20%になるとは限りません。
税制が変わる可能性があっても、今のうちから、
- 報酬取得時の数量と時価
- 必要経費
- 総平均単価
- 売却数量と売却額
- 手数料
を分けて記録しておく必要があります。
16.計算に必要な記録
今回の計算を再現するためには、次の情報が必要です。
報酬について
- 報酬の種類
- 収入計上日
- その日を収入計上日と判断した理由
- 取得数量
- その時点の価格
- 円換算額
- 価格情報の取得元
- 管理画面のスクリーンショット
- TxHash
- ガス代
- ウォレットまたはロッキング残高
必要経費について
- 支払日
- 支払先
- 支払額
- 支出内容
- DePIN収入との関係
- 私用部分の有無
- 家事按分の割合と根拠
- 領収書、請求書、決済履歴
- 資産計上または減価償却の有無
売却・使用・交換について
- 取引日
- 売却・使用・交換した数量
- 取引時の価格
- 円換算額
- 相手となる通貨・トークン
- 取引所・ウォレット
- 手数料・ガス代
- TxHash
- 入出金履歴
Excelやスプレッドシートへ記録するときも、「受取数量」だけの一覧にはしない方がよいです。
数量、価格、円換算額、必要経費、売却損益までつながる形で残します。
まとめ――枚数ではなく、数量・価格・経費・売却をつなげて考える
今回のAトークンの仮想例では、1年間に8,000枚の報酬を複数回取得しました。
各回の数量と価格から計算すると、
報酬の収入金額
480万円
総平均単価
1枚600円
必要経費
100万円
報酬による所得
380万円
となりました。
その後、3,000枚を複数回売却し、
売却額
230万円
売却したトークンの取得価額
180万円
売却手数料等
2万円
売却益
48万円
となります。
同じ年・同じ所得区分で集計されると仮定した場合、所得の合計は428万円です。
ただし、これは納税額ではありません。
さらに重要なのは、同じ8,000枚でも、総平均単価が100円なら差引後は赤字、1,000円なら700万円になるということです。
DePIN報酬では、
「何枚もらったか」
だけを見ても足りません。
いつ収入計上したのか
そのとき何枚だったのか
価格はいくらだったのか
必要経費はいくらだったのか
その後いくらで売却したのか
を一本につなげて、初めて所得が見えてきます。
まず行いたいのは、報酬を受け取ったときに、
日付・数量・価格・円換算額
の4つを同時に残すことです。
ここが記録されていれば、年末に総平均単価を計算できます。
逆に、枚数しか残っていなければ、あとから価格を探し、権利確定日を確認し、取引履歴と画面を照合しなければなりません。
毎回完璧に計算しなくても大丈夫です。
まずは数字の入口を残すこと。
その積み重ねが、確定申告の負担だけでなく、税金を支払う現金が足りなくなるリスクも減らしてくれます。
参考情報・出典
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ・令和7年12月最終改訂)」
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」
- 国税庁「暗号資産の計算書(総平均法用)」
- 国税庁「雑所得」
- 国税庁「所得税基本通達・法第35条《雑所得》関係」
- 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
- 金融庁「第221回国会における金融庁関連法律案」

