毎年4月、児童扶養手当の支給額が改定されます。
「結局いくらもらえるの?」「自分の所得だとどうなる?」
そう思っていても、計算方法が複雑で、途中で止まってしまう方がとても多いです。
この記事では、2026年(令和8年)4月分からの最新の支給額と計算方法を、ケース別にわかりやすくまとめました。
給与のみ・事業所得のみ・両方ある場合、それぞれの計算例も載せています。
まずは全体の流れをつかんで、自分がどこに当てはまるかを確認してみてください。
📌 この記事でわかること
・2026年4月分の全部支給額・一部支給額
・「所得」の正しい計算方法(会社員・個人事業主・副業あり)
・所得制限限度額の一覧表
・ケース別シミュレーション(3パターン)
・請求月〜入金月のスケジュール
2026年の児童扶養手当はいくらもらえる?
2026年4月分から、物価スライドにより支給額が改定されました。
| 対象 | 全部支給(月額) | 一部支給(月額) |
|---|---|---|
| 子ども1人目 | 48,050円 | 11,340円〜48,040円 |
| 2人目以降(1人につき) | 11,350円 | 5,680円〜11,340円 |
| 子どもの人数 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|
| 1人 | 48,050円 | 576,600円 |
| 2人 | 59,400円 | 712,800円 |
| 3人 | 70,750円 | 849,000円 |
| 4人 | 82,100円 | 985,200円 |
| 5人 | 93,450円 | 1,121,400円 |
| 6人 | 104,800円 | 1,257,600円 |
全部支給か、一部支給か、支給停止かは、「判定用の所得額」で決まります。
まずは、その「所得」がどうやって計算されるのかを整理します。
児童扶養手当でいう「所得」の考え方
児童扶養手当の審査に使う所得は、単純な「年収」ではありません。
会社員と個人事業主では、「所得」のスタート地点がまったく違います。
まずは以下の図で、全体像をつかんでください。
ポイントは、収入=所得ではないということ。
会社員は「給与所得控除」が自動的に引かれた後の金額、個人事業主は「売上-経費」の金額が、それぞれの「所得」になります。
ここから、児童扶養手当用の「判定用所得」を出す計算に入ります。
判定用所得 = 合計所得額 + 養育費の80% - 8万円(社会保険料) - 諸控除
差し引ける主な控除
⚠️ 寡婦控除(27万円)・ひとり親控除(35万円)は、申請者が「養育者」(父・母以外で子どもを養育している人)の場合のみ適用されます。
例)祖父母が申請者 → 適用あり。離婚したお母さん・お父さん自身が申請者 → 適用なし。
会社員はどこを見る? ─ 源泉徴収票の確認方法
会社員の方は、毎年もらう「源泉徴収票」を確認します。
見るのは3か所だけです。
- 総支給(支払金額)=いわゆる「年収」
- 給与所得(給与所得控除後の金額)=手当の計算で使う所得
- 扶養人数=所得制限の限度額を決める基準
児童扶養手当で使うのは、「年収」ではなく「給与所得控除後の金額」です。
ここを間違えると、計算結果が大きくズレます。
個人事業主・副業ありの方はどこを見る?
個人事業主や副業で確定申告をしている方は、確定申告書の「所得金額合計」を確認します。
事業所得の場合は、売上 - 必要経費 - 青色申告特別控除が所得になります。
給与所得と事業所得の両方がある場合は、それぞれの所得を合算した金額が「合計所得額」になります。
計算の流れ ─ 5ステップで判定される
ここまでの内容を、1枚の図にまとめました。
Step1で所得を出し、Step2で合算、Step3で養育費・控除を加減算。
Step4の「判定用所得額」が出たら、Step5で全部支給・一部支給・支給停止のどれかが決まります。
所得制限限度額 ─ いくらまでなら受給できる?
判定用所得額が出たら、以下の表で自分の区分を確認します。
| 扶養親族等の数 | 全部支給限度額 | 一部支給限度額 |
|---|---|---|
| 0人 | 690,000円 | 2,080,000円 |
| 1人 | 1,070,000円 | 2,460,000円 |
| 2人 | 1,450,000円 | 2,840,000円 |
| 3人 | 1,830,000円 | 3,220,000円 |
| 4人 | 2,210,000円 | 3,600,000円 |
| 5人 | 2,590,000円 | 3,980,000円 |
| 扶養親族等の数 | 所得限度額 |
|---|---|
| 0人 | 2,360,000円 |
| 1人 | 2,740,000円 |
| 2人 | 3,120,000円 |
| 3人 | 3,500,000円 |
| 4人 | 3,880,000円 |
| 5人 | 4,260,000円 |
一部支給額の計算式(2026年4月分〜)
判定用所得が「全部支給限度額」を超え、「一部支給限度額」以下の場合は、以下の計算式で月額が決まります。
48,040円 -{(判定用所得額 - 全部支給限度額)× 0.0264029}
2人目以降の加算月額
11,340円 -{(判定用所得額 - 全部支給限度額)× 0.0040719}
※ { } 内は10円未満四捨五入
※ 全部支給限度額以下の場合は満額支給
ケース別シミュレーション(子ども2人・扶養親族2人)
実際にどのくらい受け取れるのか、3つのケースで計算してみます。
いずれも子ども2人、養育費月4万円(年48万円)の想定です。
給与所得:132万円
+ 養育費80%:38.4万円
- 給与・年金所得の10万円控除
- 社会保険料8万円
= 判定用所得:152.4万円
全部支給限度額(扶養2人)145万円を超えるため → 一部支給
1人目:48,040 −{(1,524,000−1,450,000)× 0.0264029}= 48,040 − 1,950 = 46,090円
2人目:11,340 −{74,000 × 0.0040719}= 11,340 − 300 = 11,040円
事業所得:100万円
+ 養育費80%:38.4万円
- 社会保険料8万円
= 判定用所得:130.4万円
全部支給限度額(扶養2人)145万円以下 → 全部支給
給与所得:132万円 + 事業所得:90万円 = 合計所得:222万円
+ 養育費80%:38.4万円
- 給与・年金所得の10万円控除
- 社会保険料8万円
= 判定用所得:242.4万円
全部支給限度額を超えるため → 一部支給
1人目:48,040 −{(2,424,000−1,450,000)× 0.0264029}= 48,040 − 25,720 = 22,320円
2人目:11,340 −{974,000 × 0.0040719}= 11,340 − 3,970 = 7,370円
請求月・入金月のスケジュール
児童扶養手当は毎月支給ではなく、2か月分をまとめて奇数月に入金されます。
また、対象年度の所得は1月入金分から切り替わるため、受給額が変わるタイミングにも注意が必要です。
- 支給年度は11月〜翌年10月。1月入金分から前年度所得で判定されます
- 8月に現況届の提出が必要です(届出がないと支給が止まります)
- 1月〜9月の新規申請は前々年の所得で判定される点にも注意
申請前に確認しておきたいこと
制度は複雑ですが、よくある誤解を整理しておくと、不安が減ります。
- 「収入が少ない=必ず受給できる」とは限らない(同居扶養義務者の所得で止まることがある)
- 「副業している=不利」とは限らない(経費で所得を下げられるケースもある)
- 「正社員でフルタイム=手当をもらえない」とも限らない(扶養人数や控除で限度額が上がる)
大切なのは、「年収」ではなく「判定用所得」で考えること。
そして、所得構造と働き方を踏まえて、自分に合った選択肢を知ることです。
まとめ
児童扶養手当の計算は複雑に見えますが、ステップに分けて順番に進めれば、自分の受給額は出せます。
特に、給与所得だけでなく事業所得がある方や、養育費の加算・控除の適用で金額が変わるケースは多いです。
「なんとなく対象外だと思っていた」「計算が面倒で放置していた」という方は、一度このページの流れに沿って計算してみてください。
もし自分で計算するのが不安な場合は、個別にご相談いただくこともできます。
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※ 本記事の内容は2026年4月時点の制度に基づいています。制度改正により変更される場合があります。最新の情報はお住まいの市区町村窓口でご確認ください。