感染症の影響で浮き彫りになった問題の一つ「孤独」という状況や感情ですが、この孤独が心身だけではなく経済的側面にも影響を与えあっているということがわかっています。
特に代表である高梨子は自身もシングルマザーでありながら、離婚問題やひとり親の支援を6年間やってきています。また、起業する前も小児科病棟に6年、診療所での母子相談では2年従事しており、母親が抱える孤独をどう解消させていけばよいのか考えてきました。
今日は孤独が与える影響についてまとめていきたいと思います。
「孤独」を感じている人の身体への負担
孤独は、単なるネガティブな感情ではなく、社会的な問題や心身、どちらに対しての健康も害してしまいます。
米国公衆衛生局長官で医学博士、公衆衛生学修士のビベック・マーシー氏が2023年に公開した「Our Epidemic of Loneliness and Isolation(訳:私たちの孤独と孤立の蔓延)」というレポートでは、
孤独や社会的孤立は早死のリスクを26-29%高めてしまい、タバコ15本分にも匹敵すると書かれております。さらに心臓病のリスクを29%、脳卒中のリスクを32%増加させ、不安、うつ病、認知症、呼吸器系疾患、ウイルス感染のリスクも高めるというような結果も。
孤独感を持っている人は経済的問題も抱えやすい
孤独は収入にも影響、もしくは収入が低くなると孤独になっていくのか、どちらが先かは判断できませんが、孤独と経済問題は切っても切れない関係性にあります。
内閣府の「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和5年実施)」から、経済的にゆとりがある人は孤独感を感じる割合は低く、苦しい状況である人は孤独感が強いことが分かります。
シングルマザーの例でみると、未就学児、特に末っ子が3歳未満で離婚をする割合が高いのですが、子どもの年齢が低いと社会のつながりも断たれやすくなります。
厚生労働省が実施している令和3年度全国ひとり親世帯等調査 によると、約5人に1人は相談する相手がいないと回答しており、相談したいことの悩みは家計についてが最も割合が高くなっています。また、シングルマザーの約5割は家計の悩みを抱えている状況であり、年間就労収入は200万円未満が45.4%と、経済的に苦しい家庭が多くなっています。
実際に関わるシングルマザーは、他者との信頼関係の構築に課題を持っている方も多く、深くセッションを進めると元夫関係の問題だけではなく、ご両親との関係性に根本的な原因を抱えていることが多いです。
その状態だと、他者に対しての不信感を抱きやすく、「望む対応をしてもらえない」、「私ばかり我慢している」「元夫からの養育費が入ってこない」、「子どもが体調を崩した」など、トラブルが絶えない状況に陥っていることもとても多いです。
孤独感を持っていることでのメリット・デメリット
この「孤独感」は、実は誰しも持っている感情です。その感情がポジティブに働いていることももちろんあります。ですが、ネガティブに働いていることで生きづらさに繋がってしまうため、じっくりと向き合っていくことが多い問題でもあります。
当協会の認知行動療法×読心術のリカバリーセラピスト養成講座でも孤独については講座でお伝えさせてもらっています。
【孤独】を持っているデメリット
・社会的孤立により、困難な状況に陥りやすい、サポートの不足
・生活そのものの質が低下しやすい
・情報弱者になりやすい、知識やアイデアが偏りやすい
・人間関係を拗らせてしまう、信用できる人がいない
・感情の共有、支えがなく心理的負担が大きくなる
・様々なことへのモチベーションが下がりやすい、継続しにくい
・自己成長の妨げになる、スキルの低下
・幸福度・満足度が減少
・免疫システムを弱め、身体的・精神的病気のリスクが高まる
孤独を持つという表現に違和感を感じる人もいるかもしれませんが、「孤独」という感情や状態を自ら選んでしまっている人が多いということから、「持っている」という表現を使わせてもらっています。
セッションをしていると、誰もが持っている感情の一つ。でも、拗らせてしまっている問題の多くは、この孤独感を手放せないという状態にもなっています。
頭では、手放したい。と思っていても、心では不安や恐怖を伴うため、中々解消できない。孤独である方がメリットを感じている部分もあるから、自ら孤独を選んでしまうわけです。
【孤独】であることのメリットとは?
<ネガティブ要素>
・今の自分を正当化、特別だと思う
・変わることが怖いから逃げている→不安を見なくていい
・今の安全が守られる、傷つかなくて済む
・他者から迷惑、害虫と思われたくない
・裏切られたくない、がっかりしたくない、他者への不信感
・自信が無いことから目を背けられる
・劣等感を感じたくない、認めたくない
・依存したくない、依存されたくない
<ポジティブ要素>
・何をするにも自由、やりたいことができる
・人間関係の悩みを減らす
・自分自身と向き合うことができる、集中できる、効率アップ
・アイデアがでる、思考の独創性、オリジナリティ
・誰かに依存するのではなく、自立することができる
・全体像を見ること、別の視点に気付かせてくれる
一概に【孤独】が悪いわけではありません。
イメージの問題なのですが、孤独感.と孤独の違いとなります。物理的・状況的には孤独だったとしても、他者との心の距離を感じるようなネガティブな孤独感を感じていなければ、健全な状態と言えるのではないでしょうか。
孤独も奥が深いものではありますが、心身や経済的な影響が大きい感情の一つ。時代の変化により価値観も大きく変わってきているからこそ、深い社会的な問題だと思っています。
孤独感の解消のために私たちができること
実際に人と話す機会が多いほど孤独感は減っていきますので、直接会う時間がなかったとしても、ビデオ通話だけでもいいので、誰かと話す機会を意図的に作っていきましょう。
家にいる時間が長い方はなおさら、意識していくことが大切です。
そして、学びの時間を持つこと、さらに他者に貢献していくことができるようになるとさらに自己肯定感は高まっていきます。自分がどんなことを社会に貢献できているのか、改めて書き出してみてください。何もしていないと思っている人も、生きているだけですでに社会貢献していることに目を向けてみてください。
生きていることで
①消費をしている⇒買ってもらった先の売り上げが発生する
②消費をすると消費税を払っている
③働いていることで必ず誰かの役に立っている
④周りの人のエネルギー源になっている
何も意図的にしなくても、そこにいるだけで、実は周りにとって刺激になりエネルギーになっているという実験データもあったりします。
私たち自分の中の「ないもの」を見つけるのがとっても上手なので、次は「あるもの」探しもしてみてください。
そうは言われても全然できない。という方は、ぜひ当協会のリカバリーセラピストからセッションを受けてみてくださいね。怒っていた相手への怒りがふっとなくなったり、あんなに感情が揺れ動いていた出来事を想像しても穏やかにいられるという、不思議な感覚を味わってみてください、
当協会の事業としても
・セッション
・セミナー
・交流会
あらゆる方向から、接する時間を増やしていきたいと思って、メンタル面も経済面もサポートをさせていただいております。
遠慮は貧乏の始まりとも言われますので、少しでもいろんな方と接する時間を増やしてみてくださいね。