「自己犠牲」という言葉を聞いてどんなイメージが思い浮かびますか?看護師として病院で働いていたときから、「自己犠牲」で自分の健康や心を後回しにして、つらくなってしまう方がとても多いように思っていました。そして私もその一人でした。今はリカバリーセッションで自己犠牲はかなり外れましたが、根深かったです。
犠牲なき献身こそ真の奉仕です。
フローレンス・ナイチンゲール/看護師・社会起業家
この自己犠牲は持ち続けている限り、自分で自分の首を絞めてしまうのでどこで働いても付きまとってしまいます。例えば自分の仕事も終わっていないのに、仕事を引き受けて結局最後になってしまったり、どんどん相手が甘えてしまい、自分から頼れなくなってしまったり…。自分の体調や心も整っていないのにとかの人の問題解決ばかりしている方は一度向き合ってみてはいかがでしょうか?
自己犠牲の根本が外れたことによって
私自身は、リカバリーセラピストとして、クライアントの自己犠牲や、その他悩みの根本解決もできるようになりました。
自分もクライアントもしっかりと自分と向き合えたことで、共依存の関係から抜け出せたのです。そして人間関係が好転し、いろんな方が応援してくれるようになりました。そしてどんどん気持ちもラクにやりたいことに集中できるようになりました。
まわりを変えることは難しいと思うでしょう。でも自分が変わると周りも自然と変わっていくのです。ぜひ自分自身と向き合ってみてくださいね。
自己犠牲になってしまう理由
看護師に自己犠牲が多い理由には、以下のような要因が挙げられます。
1、緊急性・重要性が高い業務内容
看護師は、患者の命を預かるといった仕事であるためとても責任感が強いです。日常的に必要な処置もしつつ、常に患者の状態に細心の注意を払い、日々の業務を遂行しています。
また、重症患者や末期患者など、看護師が対応する患者の状態によっては命を救うために、看護師が多忙となり、食事や休憩をとる時間がない、または感情的にもストレスを感じることが多くなります。
このような職務上の責任感から、自分自身を犠牲にしてでも患者を救おうとする姿勢が生まれやすくなります。
2、患者や医師、その他多職種とのコミュニケーション
看護師は、患者だけではなく、医師やリハビリ、検査、事務などたくさんの職種の人と関わっていきます。患者さんのためには業務を円滑に進める必要もあり、自分の感情を押し殺してコミュニケーションをとることが多々あります。
私自身も医師との方向性の違いなどでトラブルになりそうなこともありました。ただ、一番は患者が自分らしく過ごせること。病気さえ治ればいいのではなく、QOL(生活の質)を落とさず、退院後の生活も送れるよう、自分の感情や健康を犠牲にしてでも患者に寄り添う姿勢を持っている方も多いのではないでしょうか。
3,仕事量やストレス
看護師は診療報酬制度のもと人員配置が決められているため、業務量に関わらず職員の人数が決まってしまいます。さらに看護業務は日常のケア、診療の補助がメインですが、看護師ではなくてもできる仕事も多く、業務量がなかなか減りません。
電子化が進んだことや、認定看護師がいることでケアや記録充実するようになったこと、委員会活動や看護研究、後輩だけではなく看護学生の育成など、多くの役割もあるため人手不足感が強くなっています。
患者の話を聞いてあげられる余裕もなく、自己嫌悪に陥ったり、職員間の人間関係のトラブルも相まってストレスは大きくなっています。
4、社会的な期待や評価
看護師は、社会的に重要な役割を担っている職業の一つです。そのため、社会からの期待や評価が高く、その期待に応えようとすることがあります。このような期待に応えるために、自己犠牲をしてまで看護師としての役割を果たそうとする姿勢が見られることがあります。
また、上司もそうやってきた、という暗黙のルールや、古くからの慣習が変わらず、自己犠牲が当たり前に求められています。
これらの要因が複合的に影響し、看護師に自己犠牲が多い傾向があるとされています。
ただ、実は元々自己犠牲心の強い人が看護業界に入りやすく、こういった環境でさらに強まってしまうのではないかと考えるようになりました。こういった共通の固定観念は、潜在意識上でお互いに影響しあっており、「類は友を呼ぶ」「以心伝心」など、思いというものは共振共鳴してしまいます。
ご自身が元々抱えていた課題が共鳴してしまい、より苦しめてしまっているのではないかと思います。
何にせよ、自己犠牲を続けることは健康にも周りの人にも悪影響を与えてしまうので、限界が来る前に適切なケアをした方がよいのです。
自己犠牲によるリスク
1. 心身の疲労
看護師は、多忙でストレスが高い環境で働いているため、心身の疲労がたまりやすくなります。
長時間労働や睡眠不足などの生活習慣の乱れは、健康に悪影響を与えることがあります。
2. 仕事に対するモチベーションの低下
自己犠牲を続けることで、看護師は仕事に対するモチベーションを失いやすくなります。
長時間働いたにもかかわらず、感謝されずに文句を言われることがあったり、人手不足で業務負荷が高いことが続くと、やる気が低下してしまうことがあります。
3. 自己実現の阻害
自己犠牲を続けることで、看護師は自己実現の機会を失うことがあります。
趣味や家族との時間を削り、仕事に専念しすぎることで、自分自身の成長や充実感を得る機会を失ってしまう可能性があります。看護師として働けなくなった時、これからどう生きていけばいいのかわからず、焦りや不安などにもつながりやすくなります。
4. バーンアウト
自己犠牲を続けることで、看護師はバーンアウトに陥るリスクが高まります。
バーンアウトとは、長期間にわたるストレスや負荷が原因で、身体的・心理的な疲労感や、仕事への無気力・憂鬱感などが現れる状態を指します。
5.他者に対するネガティブな感情
自己犠牲を続けることで、看護師自身が健康や幸福感を失ってしまいやすいのです。
そうなると他者に対して自分がしたことの見返りを期待するようになって、期待通りの反応がないと、憎しみや嫉妬、嫌悪感などの感情も生まれやすくなります。看護師の職場で人間関係のトラブルが起こりやすいのはこういった背景があるからなのです。
自分自身を大切にし、バランスのとれた生活を送ることが大切です。
他者に対して抱く感情のほとんどは自分自身に問題があることが多く、そこを手放すことができれば、同じような出来事が起こったとしても、同じような感情にならず、今までとは異なった対処ができるようになります。
自己犠牲に気付いたときはチャンス
自己犠牲とは、大切な人や仕事に貢献するために自分を犠牲にすることですが、実はその中には自己成長のチャンスがあるんです。
自己犠牲をすることで、自分自身の強さや能力を発見することができます。
例えば、看護師として患者に尽くすことで、自分自身のスキルや知識を向上させることができます。看護師は学びに対して貪欲な方が多いのではないでしょうか?
ネガティブな側面から見ると、学んでも学んでも満たされない不足感にもなりますが、ふと立ち止まって見たときにこの学びは無駄にはなりません。
たくさんのことを学んできたからこそ、少ない情報の中からでも寒冷性を見出すことができ、短時間でアセスメントすることができます。この分析能力の高さは看護師のスキルの一つだと思っております。
また、患者に対する貢献を通じて、人の役に立つことが自分の使命であることに確信することができるかもしれません。
ただ、やはり自分が苦しいままですと感情の偏りによって、相手に対する態度もブレやすくなります。感情的になることを抑えるためにも、自己犠牲は手放していけるとよいでしょう。
自己犠牲を手放すためにできること
自己犠牲を手放すためには、一般的には以下のようなことが効果的であると言われております。
1.自分自身を大切にすること
心身の疲労がたまり、健康に悪影響を与える可能性があります。そのため、セルフケアを実践することが大切です。運動やストレッチ、マッサージなどで体をほぐし、リラックスする時間を持つことでストレス緩和につながります。
自分の健康やライフスタイル、趣味や家族との時間を大切にし、自分の幸福感を追求していきましょう。ただし、自己犠牲のもととなっている根本的な問題が解決しない限り、自分のために時間を作ること自体に罪悪感を持ちやすいものです。そういった場合は、根本問題に向き合うことが必要となります。
2.働き方の改善
多忙でストレスが高い環境では、波動が下がりネガティブになりやすくなります。
・休憩時間をしっかりと取る
・長時間労働を避ける
・勤務形態の見直し
・家事や育児時間の確保
など、働き方を改善することで、心の余裕ができ、自己犠牲的な姿勢も緩和することができます。
働き方を変えたくてもお金のことが不安…という方は、当協会主催の働き方とお金の講座にご参加ください。特にシングルマザーは副業や起業をすることで社会保険料などの支出を抑え、支援を受けられるというような形も作っていくことが可能です。
根本的なところから自己犠牲を手放す方法
実は一般的に言われている改善策は対症療法になってしまうのです。もっと根深いところから解決していかなければ、同じような状況を繰り返しやすくなります。
本当に手放したい!と思った時にはまず自己内観をしてみましょう。
なぜ、自分を犠牲にしてまで、尽くしてしまうのでしょうか?やってしまうのでしょうか?
やらないとどうなりますか?
まわりからどう思われますか?
何がこわいですか?
自己犠牲の奥には何らかの恐怖心が眠っていることが多いです。その原因となっている感情を見つけ、手放していくことがとても大事なのです。
もしかしたら両親のどちらかが同じような思いを持っているかもしれません。
もしかしたら過去の出来事が原因でトラウマになっているのかもしれません。
前世の影響かもしれません。
集合的無意識下で何らかの固定観念に影響されてしまっているのかもしれません。
自分の本心、潜在意識の声を聞いて関連性に気が付くこと
そして感情を浄化させてあげることによって、同じような状況を思い出しても、苦しさが出てこなくなります。
そして、自分がやりたいと思った選択ができるようになっていきます。
さいごに
どんな自分がいるのか、弱い自分も受け入れ、認めていくことここが重要です。
自分を受け入れることができて初めて、他者もフラットな姿勢で受け入れることができます。
(誰かをジャッジしてしまうのは根本に劣等感などが隠れているからです)
そしてこの苦しさはあなたが生み出したものではなく、何らかの影響を受けて生み出されたものです。苦しさという状況に向き合ってほしいという学びなのです。成長するためのギフトなんですよね。
向き合えることができれば学びは完了して、本来持っていた自分を迎えることができます。
ぜひ自分と向き合う時間を作ってみてくださいね。
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