目次
Toggleこれからの社会は、ただ便利になるだけではない
最近、AIやデジタル化、医療の進化、働き方の変化について話す機会が増えました。
でも私は、これは単に「便利なものが増える」という話ではないと思っています。もっと大きく見ると、これからの社会は、人の生き方そのものが少しずつ組み替わっていく時代に入っているのではないでしょうか。
仕事の意味、お金の使い方、健康の守り方、家族との関わり方、子どもの育ち方、人とのつながり方。そして、自分の心をどう扱うのか。
この全部が、今までと同じではいられなくなってきています。
国が掲げているSociety 5.0やムーンショット目標を見ても、その方向性はかなりはっきりしています。Society 5.0は、ざっくり言うと、AIやデータ、ロボット、医療技術などを使いながら、経済の発展と社会の課題解決を両立していく、人間中心の社会です。
ムーンショット目標では、2050年に向けて、身体・脳・空間・時間の制約からの解放、病気の超早期予測と予防、AIロボットとの共生、こころの安らぎや活力を増やす技術などが掲げられています。2040年に向けては、100歳まで健康不安なく人生を楽しむための医療・介護システムも目標のひとつになっています。
こう聞くと、少し遠い未来の話に感じるかもしれません。
でも、もう始まっています。AIで文章を作る。オンラインで相談を受ける。健康データをスマホで見る。マイナンバーカードと医療情報がつながる。遠隔で仕事をする。学校に行く以外の学び方を選ぶ。副業や個人事業が身近になる。
こうした変化は、すでに日常の中に入ってきています。
だからこそ、これから大事なのは「すごい未来が来るらしい」と眺めることではありません。その変化の中で、私たちは何を手放し、何を整え、何を選び直す必要があるのか。
ここを見ていくことだと思っています。
Society 5.0で変わるのは、情報の量ではなく「使い方」

今までは、情報を持っている人が強い時代でした。調べられる人、知識がある人、資格がある人、情報を早く手に入れられる人。
もちろん、これからも知識は大切です。ただ、AIが進むと、ただ情報を知っているだけの価値は下がっていきます。調べること、まとめること、文章にすること、資料を作ること。こうした部分は、AIがかなり助けてくれるようになりました。
そうなると、人間に問われるのは「何を知っているか」だけではなくなります。
- どの情報を選ぶのか
- それをどう判断するのか
- 誰のために使うのか
- 自分の経験とどう結びつけるのか
- その情報が、人の生活や心にどう影響するのか
ここです。
Society 5.0は、情報がたくさんある社会ではなく、情報と現実の生活がつながっていく社会だと思っています。健康データが医療につながる。生活データが支援につながる。働き方のデータが人材配置につながる。地域の課題がデジタルで見えるようになる。AIやロボットが、人の生活や仕事の一部を補う。
便利になる一方で、怖さもあります。自分の情報がどう使われるのか。AIの判断に流されすぎないか。効率化の中で、人の気持ちが置き去りにならないか。データで見えるものだけが正しいとされないか。
ここは、かなり大事な視点なのではないでしょうか。
だから私は、これからの時代に必要なのは、デジタルに強くなることだけではないと思っています。人の心を理解する力、お金や制度を読み解く力、自分の状態を客観的に見る力、違和感を言葉にする力、人と人との関係性を整える力。
こういう、人間らしい力が、むしろ必要になっていきます。

2026〜2027年|違和感をごまかせなくなる時期
2026年から2027年にかけては、「今までのやり方では、もう苦しい」と感じる人が増えていく時期だと思っています。
これは、突然社会がひっくり返るというより、じわじわと今までの前提が合わなくなっていく感じです。
たとえば、働き方。正社員でいれば安心、長く勤めれば安定、我慢して働くのが大人、仕事は生活のために割り切るもの。こういう考え方は、まだまだ残っています。
でも実際には、正社員でも心身を壊す人はいます。収入があっても、家計が回らない人もいる。仕事で疲れ切って、家庭の中で余裕を失うこともあります。
お金も同じです。物価が上がる。税金や社会保険料の負担が重い。将来のお金が不安。でも投資をする余裕もない。子どもにかかるお金も増える。
そうなると、単に「節約しましょう」「収入を増やしましょう」だけでは足りません。
自分の所得はどうなっているのか。使える制度はあるのか。働き方を変えた方がいいのか。今の支出は、自分を消耗させる方向に使っているのか、それとも未来の自分を育てる方向に使えているのか。
ここまで見ないと、苦しさの根っこには届きにくいんです。
家族関係や子育てもそうです。学校に行くのが普通。親は子どものために我慢するもの。夫婦は多少つらくても続けるもの。家族だから分かり合えるはず。
こういう前提が、合わない家庭も増えています。
この時期に大切なのは、「違和感をなかったことにしない」ことです。なんとなく苦しい、なんとなく合わない、なんとなく疲れる、なんとなく怖い。この「なんとなく」は、かなり大事です。
ただの不満ではなく、今の生き方と自分の本音がズレているサインかもしれません。
ここで必要なのは、すぐに大きな決断をすることではありません。まず、事実と解釈を分けることです。
- 何が起きているのか
- 自分はそれをどう受け取っているのか
- 本当に今すぐ変えるべきことは何か
- まだ様子を見てもいいことは何か
- 誰かに相談した方がいいことは何か
2026〜2027年は、人生を大きく変える前の、自分の軸を取り戻す準備期間になると思います。
2028〜2030年|AI・データ・予防が生活に入り始める時期
2028年から2030年頃になると、AIやデータ活用、遠隔支援、予防医療の流れが、もっと生活に近づいてくると思います。
ムーンショット目標でも、2030年はひとつの通過点になっています。アバターやロボットによる遠隔就労、AIロボットの開発、疾患予測や未病評価につながる研究、こころの安らぎや活力に関わる技術などが、研究や実証から少しずつ社会の中へ入っていく時期です。
もちろん、すべてが一気に普及するわけではありません。地域差もあります。所得差もあります。使える人と使えない人の差も出るはずです。
ただ、方向性としては、「病気になってから治療する」「困ってから相談する」「壊れてから支援につながる」という形から、「早めに気づく」「予測する」「予防する」「生活の中で整える」という形へ変わっていきます。
これは、看護師としても、カウンセラーとしても、かなり大きな変化だと思っています。
たとえば、メンタル不調。今までは、眠れない、動けない、仕事に行けない、家族関係が壊れる。そこまでいってから支援につながることが多かったと思います。
でも本当は、その前にサインがあります。疲れが抜けない。イライラが増える。人の言葉に過敏になる。お金のことを考えると苦しくなる。子どもの小さな行動に強く反応してしまう。何かを始めたいのに、怖くて動けない。
こういう段階で気づけたら、人生はかなり変わります。
ただ、ここで注意したいこともあります。データで見えるようになるほど、人は自分の感覚を無視しやすくなることがあるんです。
数値が正常だから大丈夫。AIがこう言ったから正しい。診断名がついていないから問題ない。制度の対象ではないから支援はいらない。
これは違います。
数値やデータは大切です。でも、人の苦しさは、数値だけでは見えません。だからこの時期にクリアしたいのは、「データと感覚の両方を見る力」です。
健康診断の数字も見る。家計の数字も見る。所得や制度も見る。でも同時に、自分の心の反応、体のサイン、生活の苦しさも見る。
これができる人は、AIやデータを味方にできます。逆に、自分の感覚を全部手放してしまうと、便利なものに振り回されるかもしれません。
2031〜2035年|働く意味と人間関係が変わる時期
2031年から2035年頃は、「人間がやる仕事とは何か」が、もっと問われる時期になると思います。
AIができることは増えます。ロボットができることも増える。オンラインやアバターによる活動も広がる。医療や介護、教育、相談支援の形も変わっていくはずです。
そうなると、ただ資格があるだけ、知識があるだけ、作業ができるだけでは、差別化しにくくなります。
では、人間に残る価値は何か。
私は、ここで大切になるのが、相手の背景を読む力、違和感に気づく力、感情を扱う力、関係性を整える力、その人に合った選択肢を一緒に考える力だと思っています。
特に、看護師、支援者、カウンセラー、FP、教育や福祉に関わる人たちは、ここがかなり重要になります。
知識だけならAIが出せます。制度の説明もAIができます。一般的なアドバイスも、AIがある程度出せるようになっています。
でも、目の前の人が本当は何に傷ついているのか。なぜその選択ができないのか。どこに恐れがあるのか。何を守ろうとしているのか。どの順番なら動けるのか。
ここは、人が丁寧に関わる意味が残るところです。
そして、働き方の価値観も変わります。年収が高いか、肩書きがあるか、大きな組織にいるか、安定して見えるか。もちろん、これらも大事な判断材料です。
でも、それだけではなくなっていきます。
自分の仕事が、どんな循環を生んでいるのか。誰の安心につながっているのか。自分の経験をどう活かしているのか。心と体を壊さずに続けられるのか。家族や生活と矛盾していないか。
こういう視点が、もっと大切になると思います。
2031〜2035年にクリアしたいのは、「自分の経験を価値に変える力」です。
特に支援職の方は、自分の経験を低く見積もりがちです。現場で患者さんを見てきたこと。家族の不安を受け止めてきたこと。クレームやトラブルに対応してきたこと。限られた時間で優先順位をつけてきたこと。自分自身も家庭やお金や働き方で悩んできたこと。
これは、ただの過去ではありません。ちゃんと棚卸しすれば、誰かを支える力になります。仕事にもなる。事業にもなる。地域の支援にも、子育て支援にも、産業保健にもつながります。
ただし、ここで大切なのは、経験をそのまま押しつけないことです。
「私はこうだったから、あなたもこうすればいい」
「私は乗り越えたから、あなたも頑張れる」
これは危険です。
経験は、押しつけるものではなく、構造を読むために使うものです。自分の経験から、どんな環境で人は壊れやすいのか。どんな支援があると立て直しやすいのか。どんな認知のクセが苦しさを深めるのか。どんな制度の知識が選択肢を増やすのか。
ここまで整理できたとき、経験は無形資産になります。
2036〜2040年|健康は「治療」から「予防・未病・生活設計」へ
2040年に向けては、医療や介護の考え方がかなり変わっていくと思います。
ムーンショット目標7では、2040年までに主要な疾患を予防・克服し、100歳まで健康不安なく人生を楽しむための医療・介護システムの実現が掲げられています。
これは、単に長生きする社会を目指すという話ではありません。
長く生きるなら、どう働くのか。どう暮らすのか。どうお金を使うのか。誰とつながるのか。介護をどう考えるのか。心の健康をどう守るのか。
ここまで含めて考えないと、長寿は安心ではなく、不安にもなります。
今までは、人生をざっくり「学ぶ時期」「働く時期」「引退する時期」という形で考えてきました。でもこれからは、その区切りがかなり曖昧になります。
学び直しながら働く。育児や介護をしながら働く。病気と付き合いながら働く。定年後も役割を持つ。地域やオンラインで小さな仕事を持つ。複数の収入源を持つ。
こういう生き方が、もっと普通になっていくと思います。
そのとき大切になるのが、「心身の健康」と「お金」と「働き方」を一緒に設計することです。
体を壊してまで働く。お金のために心を削る。家族のためと言いながら、自分を消耗しきる。老後が不安だから、今の生活を全部我慢する。
こういう形は、かなり限界が来ます。
2040年に向けてクリアしたいのは、「自分の健康を、生活全体で守る力」です。
病院に行くか行かないかだけではありません。睡眠、食事、働き方、人間関係、お金の不安、子育てや介護、職場のストレス、過去の傷つき、認知のクセ。これら全部が、健康に影響します。
だから、医療だけでは足りない。心理だけでも足りない。FP的なお金の知識だけでも足りない。
心・体・お金・働き方・家族関係を分けずに見ること。これは、これからの予防医療や産業保健にも必要になる視点だと思っています。
2041〜2050年|人の能力が広がる時代に、何を大切にするのか
2050年に向けたムーンショット目標を見ると、かなり大きな未来像が描かれています。
身体・脳・空間・時間の制約から解放される。AIとロボットが人と共生する。病気を超早期に予測し、未病の段階から健康に戻す。こころの安らぎや活力を増やす技術が生まれる。
これがどこまで、どんな形で実現するかは分かりません。
でも方向性としては、人の能力を技術で補い、広げ、支える社会に向かっていくのだと思います。遠くに行かなくても働ける。体が不自由でも活動できる。認知機能や感覚を補助できる。AIやロボットが生活や介護を支える。心の状態も技術でサポートされる。
これだけ聞くと、とても希望があります。
でも同時に、問いも生まれます。
- どこまでを技術に任せるのか
- 人の弱さや揺らぎは、なくすべきものなのか
- 効率がよければ、それで幸せなのか
- 心の安定まで技術で管理されるとき、自分の本音はどこに残るのか
- 能力を広げられる人と、そうではない人の差はどうなるのか
ここは、かなり慎重に見たいところです。
私は、技術の進化そのものを否定したいわけではありません。むしろ、救われる人はたくさんいると思います。障害や病気、介護、育児、地域格差、働き方の制約。そういうものを技術が補ってくれるなら、本当に大きな希望です。
ただし、技術が進むほど、人の内側が置き去りになる危険もあります。
だから2050年に向けてクリアしたいのは、「技術を使う側の人間の成熟」です。
便利だから使う。みんなが使っているから使う。国が進めているから正しい。AIが言ったから従う。
それだけでは危うい。
自分はどう生きたいのか。どんな関係性を大切にしたいのか。どこまでを効率化し、どこは人の手を残したいのか。何を守るために技術を使うのか。
この問いが必要になります。
これから価値観はどう変わるのか

ここまでの流れをまとめると、これからの価値観はかなり変わっていくと思います。
「所有」より「活用」へ
何を持っているかより、持っているものをどう使うか。資格、経験、人脈、お金、時間、情報。持っているだけではなく、循環させる力が大切になります。
「我慢」より「調整」へ
つらくても耐えることが美徳だった時代から、壊れる前に調整する時代へ変わっていきます。働き方も、人間関係も、健康も、家計も、早めに見直すことが大事です。
「治療」より「予防」へ
病気になってから、問題が大きくなってから、家庭が壊れてから、職場に行けなくなってからではなく、小さなサインのうちに気づくこと。これは医療だけではなく、メンタル、家計、夫婦関係、子育てにも同じです。
「正解を探す」より「自分に合う選択」へ
これからは、選択肢が増えます。働き方も、学び方も、家族の形も、支援の受け方も、お金の作り方も増える。だからこそ、迷いやすくもなります。
このとき大事なのは、みんなにとっての正解ではなく、自分と家族の心身、生活、価値観に合う選択を考えることです。
「個人の努力」より「仕組みとつながり」へ
これからの問題は、個人の頑張りだけでは解決しにくくなります。不登校、貧困、メンタル不調、ハラスメント、介護、孤立、働き方の不安、子育ての苦しさ。
これらは、本人の弱さだけではありません。家庭、職場、制度、地域、経済、過去の経験、認知のクセ。いろいろなものが絡んでいます。
だからこそ、個人を責めるのではなく、構造を見て、必要な支援につなげることが大切になります。
これからの時代に向けて、私たちが整えていきたいこと

ひとつ目は、情報に振り回されないことです。AI、投資、医療、教育、働き方。情報はどんどん増えます。でも、情報が多いほど、人は不安になります。だからこそ、自分に必要な情報を選ぶ力が必要です。
ふたつ目は、自分の感情を無視しないこと。不安、怒り、悲しみ、違和感。これらは邪魔なものではありません。今の自分に何が起きているのかを教えてくれるサインです。
ただし、感情だけで決めるのも危険です。感情を見る。でも事実も見る。お金も見る。制度も見る。体調も見る。家族への影響も見る。このバランスが大事になります。
三つ目は、お金の仕組みを学ぶことです。これからは、収入だけを見ていても足りません。所得、税金、社会保険、手当、扶養、補助金、副業、事業所得、資産形成、支出の優先順位。ここを理解すると、選択肢が増えます。
特にシングルマザーや子育て世帯、支援職の方は、年収ではなく所得の理解がかなり大切です。
四つ目は、自分の経験を棚卸しすること。これからの社会では、ただの職歴ではなく、何を経験し、何を学び、誰の役に立てるのかが大切になります。
苦しかった経験も、失敗した経験も、ただの損失で終わらせなくていい。もちろん、美談にする必要はありません。つらかったものは、つらかったでいい。
でも、その経験から見えた構造や、誰かを支えられる視点があるなら、それはちゃんと無形資産になります。
五つ目は、依存でも孤立でもないつながりを作ることです。これからは、ひとりで全部抱える時代ではありません。かといって、誰かに全部決めてもらう時代でもない。
自分で考える。必要なときは頼る。人の力を借りる。でも、自分の判断軸は手放さない。
このバランスが必要になります。
この記事を読んだ方へ|よく聞かれること
Society 5.0やムーンショット目標は、普通の生活にも関係ありますか?
関係あります。AI、医療データ、予防医療、遠隔支援、ロボット、働き方の変化などは、すでに私たちの生活に少しずつ入ってきています。
大事なのは、技術そのものを怖がることではありません。その変化によって、自分の働き方はどう変わるのか。お金の使い方はどう変える必要があるのか。心と体を壊さないために、どこで早めに気づく必要があるのか。
そこを考えることだと思います。
AIが進むと、看護師・支援職・カウンセラーの仕事はなくなりますか?
すべてがなくなるとは思っていません。ただし、情報を伝えるだけ、知識を説明するだけの仕事は、AIに置き換わりやすくなると思います。
これから必要になるのは、相手の背景を読む力、言葉になっていない不安に気づく力、感情と現実を整理する力、制度やお金、家族関係、働き方まで含めて見る力です。
ここは、人が関わる意味が残る部分です。だからこそ、支援職ほど、自分の経験を棚卸しして、何を価値として届けられるのかを整理しておくことが大切になります。
これからの時代に向けて、今すぐできることは何ですか?
大きなことを始める前に、まずは今の自分の状態を整理することです。
何に疲れているのか。何に不安を感じているのか。お金のどこが怖いのか。今の働き方は、心と体に合っているのか。家族関係の中で、何を我慢しすぎているのか。
そして、事実と解釈を分けること。
不安があるときほど、人は未来を悪い方に決めつけやすくなります。でも、分けて見ると、今すぐできることと、まだ考えなくていいことが見えてきます。
未来を怖がる前に、まずは足元を整える。これが、これからの時代を生きる準備になると思います。
これからの支援の形とは?
私は、これからの支援は、もっと横断的になっていくと思っています。
心だけを見る支援。お金だけを見る支援。働き方だけを見る支援。子どもだけを見る支援。夫婦関係だけを見る支援。
それぞれ大事です。でも、現実の悩みはそんなにきれいに分かれていません。
子どもの不登校の背景に、親の働き方や夫婦関係、お金の不安があることもあります。メンタル不調の背景に、職場のハラスメントや過去の傷つきがあることもある。お金の不安の背景に、制度の知識不足だけでなく、自己否定や恐れがあることもあります。
だから、これから必要なのは、心・体・お金・働き方・人間関係・制度をつなげて見る支援です。
そして、問題が大きくなってからではなく、小さな違和感の段階で気づくこと。これが本当の意味での予防だと思っています。
医療も、心も、お金も、家族関係も、壊れてから対応するのではなく、壊れる前に整える。
Society 5.0やムーンショット目標が目指している未来は、技術の未来でもあります。でも私は、それと同じくらい、人が自分の内側を理解し、人生を選び直していく未来でもあると思っています。
AIが進むからこそ、人の心が大切になる。データが増えるからこそ、感情や違和感を無視しないことが大切になる。寿命が延びるからこそ、何のために生きるのかが問われる。働き方が自由になるからこそ、自分の軸が必要になる。
これからの時代は、怖いだけの時代ではありません。でも、何も考えずに流されるには、少し難しい時代です。
だからこそ、まずは自分の足元からでいい。
今、何に疲れているのか。何に不安を感じているのか。何を我慢しすぎているのか。どんな働き方なら続けられるのか。どんなお金の使い方なら、自分と家族を守れるのか。どんな人とつながると、自分らしくいられるのか。
ここを見ていくこと。
未来を読むというのは、遠い世界を予言することではありません。これからの社会の流れを見ながら、今の自分の選択を少しずつ整えていくこと。
私はそう思っています。
小さな違和感をなかったことにしない。ここから、これからの時代を生きる準備は始まっていきます。

