「頼りたい」、誰かに話を聞いてほしい。
でも結局、「私が何とかするしかない」と歯を食いしばり、また一人で抱え込んでしまう。
- 子どもを優先できない自分に、激しい罪悪感を抱く
- 母親として、社会人として「足りていない」気がして、自己嫌悪が膨らむ
- 収入や将来への不安。何をやっても中途半端で、「これが私です」と言える自信がない
周りの人は、仕事も家庭も器用に回しているように見える。それに比べて自分は、我慢ばかり。 「私が我慢すればいい」「それが当たり前」と言い聞かせながら、心のどこかではこう感じていませんか?
「頑張っても頑張ってもうまくいかない」
「こんなに頑張ってるのに誰もわかってくれない」
こんな、苦しさの無限ループ。
何とかしたいのにどうにもならない。そんな感覚はありませんか?
1. 苦しいのは、「弱い」から?
「どうして私は、みんなと同じようにできないんだろう」 そう自分を責めてしまうこともあるかもしれません。
しかし、現代は気軽に頼れる人が近くにおらず、家事・育児・仕事の負担が一人に集中しやすい構造になっています。さらにSNSを通じて「理想の母親像」「正解の人生」が絶えず流れ込み、無意識に「できていない自分」を拾い集めてしまう環境にあります。
それでも、同じ環境にいても、深く苦しくなる人と、そうならない人がいる。その決定的な違いは、心の中にある「構造」にあります。
2.「 頼れない」「甘えられない」が標準化
あるクライアントさんは、常に「自分がみじめで、居場所がない」という感覚を抱えていました。 その苦しさの奥にあったのは、
・大切な人に失望されたくない
・役に立たない存在だと思われたくない
・もし期待に応えられなければ、自分の居場所がなくなる
という強い恐れ。 この恐怖から逃れるために、彼女は「本音を言わない」「弱さを見せない」「自分を後回しにする」という選択を無意識に繰り返していました。
でもここでお伝えしたいのは、「頼れない・甘えられない」ことは、意志の弱さではないということです。
それは、あなたが今日まで生き抜くために必要だった、切実な戦略そのものなのです。
3. 感情から行動へ至る「苦しさの設計図」
なぜ、頑張っても報われない感覚が消えないのか。その正体を、以下の構造で整理します。
感情(根源にあるもの) 怖い、不安、見捨てられたくない
信念(スキーマ) 「役に立たない私には価値がない」「迷惑をかけたら嫌われる」
認知の歪み(フィルター) 「頼る=弱い」「自分を優先する=わがまま・悪」
行動(表面化する結果) 我慢する、感情を抑える、一人で抱え込む
もしかすると周囲からは「しっかりしている人」「自立した人」に見えているかもしれません。 しかし、その内側は常に緊張状態。「頑張らなきゃ/でも限界/でもSOS出せない」という矛盾や閉塞感、苦しさの中にいます。「弱さ」や「性格」の問題ではないのです。
4. 自分を縛る「正しさ」という枠
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私たちが自分自身にかけている制限の多くは、「こうあるべき」という信念(正しさ・常識・枠・メンタルブロック)です。
- 「母親なら、これくらいできて当たり前」
- 「人に迷惑をかけてはいけない」
- 「弱音を吐くのは、努力が足りない証拠だ」
これらは一見立派な道徳に見えるし、責任感が強かったり「輪」を大切にする日本人だからこそ強く出やすい集合的無意識(社会通念のようなもの)なのかもしれません。
しかし、これらが個々のなかで「絶対的な枠」になったとき、ネガティブに作用すると自分を追い詰める要因にもなります。
私たちは、この十人十色の「枠」という「フィルター」越しに他者や自分自身、起きている状況を見たり感じたりしています。
この当たり前フィルターが<頼る=迷惑><甘え=弱さ>だとしたらどうでしょう?
誰がどんなに手を差し伸べても、「申し訳ない」「自分の努力が足りないだけ」と受け取ることができなくなってしまうんです。
これが「頼れない」「甘えられない」の正体です。
5. 本音に蓋をしても「うまくいかない」理由
・○○なタイプが苦手
・○○な人が許せない
特定のタイプの人に嫌悪感や苦手意識を感じることってありますよね。
例えば今回の例だと、
「自分を優先する人は、わがままで悪い人だ」
こんな前提があると、SOSを出そうとした瞬間に無意識的にブレーキがかかります。
孤独を恐れて我慢を選びますが、その結果、また別の問題も生まれます。
「本当はこうしたい」を飲み込み続けるほど、心の中には「大切にされていない」「私ばかりが損をしている」という違和感も同時に積もっていくのです。
目は口程に物を言う、なんて言葉もありますよね。
言葉にしなくても、その空気感は相手に伝わります。 「本音が見えない」「どこか納得していなさそう」と相手も戸惑い、さらに距離が生まれる。
「関係を守るために合わせたはずなのに、さらに関係が悪くなる」という悪循環になってしまうのです。
6. 構造の変化がもたらす未来(クライアントの実例より)
リカバリーセラピーを通じて「認知の歪み」が解消されると、世界の見え方はどう変わるのか。
先ほどのクライアントさんの変化の実例です。
変化① 捉え方の変化: 失敗を「資産」に変える思考へ
これまで、「仕事でミスをしたら見放される」という恐怖から、過剰に完璧を求めていました。ここがフラットになると、「ミスは誰にでもある」「次に活かすためにはどうしたらいいか」と建設的に考えられるように。 相手に対しても、「顔色を伺う」のではなく、伝えたい事を伝えてみる・聞きたい事を聞くが自然と出来るようになりました。
そもそも「失敗」ではなく「経験」と捉えられる様になると、自分のなかの大切な資産として大きく成長できる糧となっていきます。
変化② 行動の変化: 心のままに選べるように
以前は、体調が悪くても「私がやらなきゃ」と”やらない”ことや”休む”ことが選択肢の中にすらありませんでした。
やらない、できない自分が許せなかったんですよね。
今は、「今日は無理だから、食事は買ってくるね。少し休ませて」と言葉にできるようになりました。
少しずつ、自分の心に素直に「どうするか」「どうしたいか」を選べるようになったのです。
変化③ 未来の変化: 自己犠牲から「感謝の循環」へ
「助けて」が言えるようになると、意外なことに家族から「頼ってもらえて嬉しい」という言葉が返ってきました。自分が我慢してピリピリしていた頃よりも、家の中に笑顔が増え、「お互いに支え合う」という温かな循環に。
「お願いできる?」「いつもありがとう」「助かったよ」
今までと同じ様に家事や育児をしていても、感じ方が変わり自然と感謝の気持ちが溢れ、お互いにその時々の想いや希望を尊重し合えるようになっていきました。
自分を大切にすることで、結果として一番守りたかった家庭・家族、周りの大切な人たちまでも変化していきました。
7. 「経済的な安心」と「心の回復」の相乗効果
心が整い、認知の歪みが解消されると、これまで「自分には無理だ」と思い込んでいたことにも目が向くようになります。
「これくらいの収入で我慢するしかない」 「私には何の価値もない」 そんな思い込み(枠)が外れることで、自分の能力を正当に評価し、一歩踏み出すエネルギーが湧いてきます。
また、視野が広がり選択肢が増える、さらに安心して選べるようになると、それまでよりも格段にチャンスの機会が増えたり応援してくれる人も増えていく。
認知の歪みを整えフラットな状態になっていくと、結果として経済的な悩みも自然と解決していくんですよね。
8. 人生は、いつからでも整え直せる
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もし今、「何もかも、うまくいかない」と限界や苦しさを感じているなら、
もうそのフィルター卒業してみたら?
のサインかもしれません。
一見、遠回りに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
苦しさのなかにいると、早く何とかしたい、魔法のようにすべてを一気に解決したい。 そう思うのはごく自然なことです。
でも、「うまくいかない」物事を外側から何とかしようとするのではなく、そう感じる心の構造そのものを整えていくこと。
それこそが、対症療法でしのぐのではなく、苦しさや問題を根本から解決し、その後も望む未来を歩んでいくための一番の近道なのです。
感情、信念、そして認知の歪み。
その上流から丁寧に見直し、絡まった糸を一本ずつ解いていきましょう。
人生は、いつからでも整え直すことができます。
人はいつでも変われる。変えられる。
あなたがあなたとして、深く息を吸い込み、自分の人生を自分が主人公で生きてゆくために。
ぜひご自身の「当たり前」フィルターと向き合ってみてくださいね。