2025年12月26日

つみたてNISAは本当に複利?多くの人が知らない投資信託の話

「つみたてNISAを始めたら、複利で雪だるま式に増えるって聞いたんだけど…本当にそうなの?」

こんな疑問を持ったこと、ありませんか?

実は私も、投資を学び始めた頃は「複利ってすごい!預金より断然お得!」と思っていました。でも、ファイナンシャルプランナーとして深く学んでいくうちに、「あれ?これって本当に複利なの?」という疑問が湧いてきたんです。

今日は、多くの人が誤解している「つみたて投資の複利効果」について、本質的な部分を一緒に整理していきましょう。知らなかったからといって損をするわけではありませんが、正しく理解することで、より納得して投資を続けられるようになりますよ。

一般的に言われていること

つみたてNISAやiDeCoなどの投資信託について、「複利で増えるから長期投資が有利」という言葉をよく目にします。

確かに、多くの金融機関や証券会社のサイトでも、このような説明がされています。間違っているわけではないのですが、実は「複利」という言葉の使い方に、少し誤解を生む部分があるんです。

本当の複利とは何か

まず、「本当の複利」とはどういうものか、確認してみましょう。

預金や債券のような固定金利の商品の場合

100万円を年利3%で運用した場合

  • 1年後:103万円(利息3万円)
  • 2年後:106.09万円(103万円に対して3%の利息=3.09万円)
  • 3年後:109.27万円(106.09万円に対して3%の利息=3.18万円)

これが数学的に定義される「確実に利息が利息を生む」本当の複利です。元本が減ることはなく、毎年確実に計算通りに増えていきます

投資信託の場合

一方、投資信託はどうでしょうか。

投資信託は、毎日価格(基準価額)が変動します。昨日より上がることもあれば、下がることもある。この「価格が変動する」という点が、預金との決定的な違いです。

つまり、投資信託の場合は

①リターンの源泉は「企業の成長による価値上昇」
②最終的な利益は「買った時の価格」と「売った時の価格」の差
③価格が下がっている時期は、むしろ元本割れ

預金のように「元本×金利=利息」という計算が成り立たないんですね。価格が下がっている時期は、複利が働きようがありません。投資信託は「価格変動+内部再投資によって、結果的に複利”的”な効果が生まれる仕組み」になっているのです。

無分配型の投資信託の仕組みとは

「えっ、じゃあ今まで聞いてきた投資信託は複利で増えるという説明は嘘だったの?」と私も思いました。ここに関しては半分本当で半分間違いというところでしょうか。

つみたてNISAで購入できる「無分配型」の投資信託では、一般的には複利効果と呼ばれているのですが、「利息が利息を生む複利」とは仕組みが異なります。

無分配型の投資信託では、こんなことが起きています。

1. あなたが100万円を投資
2. ファンドが世界中の企業の株式を購入
3. それらの企業から配当金がファンドに入る
4. ファンドがその配当金でさらに株式を買い増す
5. ファンド全体の資産が増える
6. あなたの持っている口数の価値(基準価額)が上がる

ここで重要なのは

  • あなたの口数は変わらない
  • でも、ファンドが保有する株式は増えている
  • その結果、1口あたりの価値が上がる
  • 売るまで課税されない

ただし、「税金を繰り延べながら再投資される」という点では、結果として複利に近い成長カーブを描く可能性があるというのが、一般に「複利効果」と呼ばれている理由です。

分配金再投資型との違い

ちなみに、「分配金再投資型」というタイプもあります。

分配金再投資型の場合

  1. ファンドから分配金があなたに支払われる
  2. その時点で約20%の税金が引かれる
  3. 残った約80%で、あなたが同じ投資信託を追加購入する
  4. あなたの口数が増える

無分配型の場合

  1. ファンド内で配当金が自動的に再投資される
  2. 税金が引かれない(100%が再投資される)
  3. ファンドの資産が増える
  4. あなたの口数は変わらないが、基準価額が上がる

つまり、無分配型の方が税金の分だけ効率が良いんですね。長期で見ると、この差はかなり大きくなります。

分配型・無分配型のメリットデメリット

分配型(受取型)のメリット・デメリット

メリット

  • 定期的な現金収入がある:毎月または年数回、実際にお金を受け取れる
  • 投資の実感が得られる:「運用益を受け取っている」という感覚が持てる
  • 生活費の足しになる:年金だけでは足りない、という時に補える
  • 精神的な安心感:定期的に「何か得ている」と感じられる

デメリット

  • 税金が毎回20%かかる:受け取るたびに約20%が引かれる
  • 複利効果が弱い:税金分が減るので、長期的な資産増加効率が落ちる
  • 元本取り崩しリスク:運用益ではなく、元本から分配金が出ている場合も

こんな人に向いています

  • 今すぐお金が必要な人
  • リタイア後、年金の足しにしたい人
  • 投資の実感を得たい人

無分配型のメリット・デメリット

メリット

  • 税金がかからない:売却するまで課税されないので、効率的に運用できる
  • 複利的効果が期待できる:ファンド内で自動的に再投資される
  • 長期で有利:時間をかけるほど、税効率の差が大きくなる

デメリット

  • 利益を実感しにくい:現金として受け取れないので、実感が薄い
  • 評価額は変動する:市場が下がれば、資産も減る
  • 暴落時に精神的に辛い:「損している」と感じて、続けられなくなることも

こんな人に向いています

  • 長期で資産形成したい人(10年以上)
  • 余裕資金で投資している人

重要なのは「総資産額(口数×基準価額)」

たとえば

  • A:10,000口 × 12,000円 = 1,200万円
  • B:12,000口 × 10,000円 = 1,200万円

どちらも同じ1,200万円です。口数が多いか少ないかは関係ありません。

分配金再投資型で口数が増えても、その分基準価額が下がれば、結局は税金分だけ損をする仕組みになっています。

分配型も、無分配型も、共通していることは、「市場が成長しないと、資産は増えない」ということです。

・世界経済が成長すること
・投資している企業が成長すること
・株価が長期的に上昇すること

これらが前提になっているんです。

なので、投資信託も確実に増えるものではなく、市場の成長に賭ける商品です。そのため、価格が下がるリスクがあるということをしっかりと、頭に入れておきましょう。

投資信託のポイント

1. 税金の繰り延べ効果
無分配型なら、売却するまで課税されません。本来なら税金として取られていた20%分も、ずっと運用に回せます。

2. つみたてNISAなら非課税
さらにNISA口座で運用すれば、最終的に売却する時も非課税。これは確実なメリットです。

3. 長期的な企業成長に期待できる
世界経済は長期的に見れば成長してきました。その成長に乗ることができます。

4. 時間を味方につけられる
価格が下がった時も、積立を続けることで「安く買えるチャンス」になります。

本当に大切なのは「人生全体の複利効果」

最後に一番お伝えしたいことがあります。

それは、「お金の投資」だけが全てではない、ということです。

投資の世界では、「複利の力」「長期投資」「我慢して積み立て続けること」が美徳とされています。確かに、それは間違っていません。資産形成において、時間を味方につけることは大切です。

でも、投資信託がどれだけ増えるかは、結局のところ市場次第。あなた自身ではコントロールできません。20年後、本当に増えているかどうかは、誰にもわからないんです。世界経済が成長し続けるという前提が崩れたら、どんなに我慢して積み立てても、思うように増えないこともあります。

自分への投資は、確実なリターンがある

一方で、自分自身への投資は違います。

新しいスキルを学べば、それはあなたの武器になります。健康を大切にすれば、将来の医療費や介護リスクを減らせます。家族との時間を大切にすれば、かけがえのない思い出が残ります。今しかできない経験は、あなたの価値観を豊かにし、人生の選択肢を広げてくれます。

これらは、市場が暴落しても、誰にも奪われません。無形の資産は、確実にあなたの人生に残ります。なので、経験そのものは「人生の複利」になっていると思うのです。

「将来のために今を我慢」していませんか?

私自身、育児期の過重労働でうつやネグレクト状態になった経験があります。生きること自体がとても苦しく、このままではいけないと思うほど追い詰められていました。自分の時間や体を犠牲にしすぎた先に、幸せはないんですよね。今その時その時、何を大切にして生きるのか?ここを大事にしてもらいたいと思います。

でも、辛い経験もそのものも、私にとっての資産になったのも事実です。この苦しさがあったからこそ、今この働き方が出来ています。関わる世界も大きく変わりました。今「苦しい」と思えること、それがすべてのスタートではないでしょうか。立ち止まることができれば、変えることはできます。

このまま「我慢し続ける」人生を選ぶのか、「彩り豊かな人生」を選ぶのか人生全体の幸福度も見ていきましょう。

お金の投資と、自分への投資、バランスを大切に

お金の投資は、余裕資金で、無理なく。生活費を削ってまでやる必要はありません。将来への「保険」くらいの気持ちで、増えたらラッキーくらいでいいんです。

一方で、自分への投資は、今を大切に。学びたいことがあるなら学ぶ。健康にお金をかける。経験にお金を使う。家族との時間を優先する。これらは、「無駄遣い」ではなく、「人生への投資」です。

自分への投資によって、収入が増えた分でお金の投資に回すことができます。知識が増えれば、投資方法の選択肢が増やせます。お金は、あなたの人生を豊かにするための「道具」であって、目的ではありません。手段の一つなのです。

バランスを取ること。それが、本当の意味での「人生の複利効果」を最大化することだと私は思います。

「知らなかった」を「知れてよかった」に。そして、「私には選択肢がある」と思えるように。一緒に学んでいきましょう。

次回は、「市場が動かなくても”収入”が発生する仕組み」という視点から、MAWARIの報酬構造を整理していきます。

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