「カウンセラーの仕事はAIには奪われない」そんなふうに思っていませんか?対人支援の仕事は奪われないと言われてきましたが、それは、今や“幻想”とさえ言えるかもしれません。
ChatGPTマジでスゴい……。 下手なカウンセラーより悩み相談の能力高いんじゃないか、これ。 ちょっとモヤモヤしたときとか、そのモヤモヤした感情をそのままぶつけると、しっかり言語化してくれる。
実際に、感情分析・対話構造・傾聴パターンを学習したAIカウンセラーが、SNSでも注目を集めています。ChatGPTやGoogleの生成AIをベースにしたメンタルヘルスアプリは、24時間体制で相談に乗り、ユーザーの気分変化を分析し、時には的確なアドバイスを返してくれる。しかも安価で、即レスポンス。
この流れはすでに始まっているのです。
では、これからの時代に必要とされる“生き残るカウンセラー”とは、どんな人なのでしょうか?
▼AIによる対談形成での解説
AIに仕事を奪われ始めているカウンセラーの特徴10
- 「傾聴・共感・受容」だけで成り立つと思っている
- 専門スキルを言語化・構造化できていない
- 問題解決より“話を聴くこと”に満足している
- 「フィードバックが怖い」と思ってしまう
- 感情を自分で処理しきれておらず、クライエントの感情に巻き込まれる
- 成果(行動変容や体調改善)に無関心
- 技術のアップデートをしていない
- 「自分が癒されたい」欲求で動いている
- セッションがルーティン化している
- 自分の内面に未解消の課題を抱えている
一つでも当てはまる項目が多い人は、要注意です。
AIはいつでも寄り添い、共感し、理解してくれる。そんな手軽さゆえに、人々はわざわざお金を払ってカウンセラーを利用しなくなるかもしれません。
カウンセリング=受容・傾聴・共感だけでは生き残れない理由

たしかに、「受容・傾聴・共感」はカウンセリングの基本です。これらは、安心できる関係性の土台であり、心の回復には欠かせません。
しかし今、その“基本”だけでは通用しない時代に入りつつあります。というのも、AIが提供できる対話の質が、驚くほど高まっているからです。わざわざカウンセリングに毎回高いお金を払う必要性を感じないのです。
AIが得意とすることは、すでに“カウンセリングの一部”を代替している
たとえば、現在のAIは以下のようなことができます。
- 様々な心理学的アプローチのフレームに基づくアドバイス
- 会話の文脈から感情を読み取り、共感的に応答する
(例:「それはつらかったですね」「苦しかったと思います」) - 問題の構造を論理的に整理する
- 思考の癖や認知パターンを、過去の発言や言葉の矛盾から指摘する
これらは、まさに今まで人間のカウンセラーが担ってきた領域です。
そしてAIはそれを、24時間、休まず、否定せず、丁寧に応答できるよう設計されています。
ただこれだけでは問題解決にならないケースも多くあります。
AIはあくまで「大量の会話データから学習した予測マシン」です。
つまり、ユーザーの発言に対して、この文脈では、どんな言葉を返せば評価されるか?を統計的に予測しているだけに過ぎません。
- 批判を避ける
- 否定を控える
- あいまいに受け止めて会話をスムーズに続ける
このように、ユーザーの満足感や安心感を優先する設計がベースにあるため、どうしても「耳障りのよい言葉」「否定しない反応」になりがちです。
その結果、 たしかに「気持ちがラクになった」と感じる人は増えました。ですが、依存傾向を強めてしまうことや、対立状態を悪化させるなどのデメリットも見えてきたのも事実です。
肯定だけでは、認知の偏りは修正されない
AIとの対話では、常に優しく肯定されるため、使う側が気を付けないと
・偏った認知が強化されたり
・現実逃避的な思考パターンが固定されたり
・本来見つめるべき痛みに触れられないまま
…ということが起こりやすくなります。
その結果、感情が変わらないまま、同じ悩みのパターンを繰り返すケースも少なくありません。
クライエントが本当に求めているのは、 「どうすれば問題を解決できるか?」 「どうすればこの状況から抜け出せるのか?」という実質的変化です。
表面的な理解ではなく、
・行動を変える力
・自分で判断できる感覚
・体調の変化
こうしたリアルな変化を提供できるカウンセラーこそが、これからの時代に選ばれていきます。
なぜ問題解決ができないカウンセリングになるのか?
- 傷つけ合う社会への疲弊 → 「ただ否定されない場」を求める潮流
- 資格制度の限界 → 研修では“傾聴重視”だが、根本原因の深掘り訓練は不足
- 支援者自身の「いい人でいたい」「嫌われたくない」欲求 → 保身的に安全な言葉しか使わない
これらが合わさり、「共感」ではなく「同調」が増えてしまい、 本当の対話ではなく安心安全な言葉のやり取りだけが拡がってしまいました。
結果、変化が起きない支援(当たり障りのない対応)が当たり前になっているのです。
ですがこのようなやりとりは本当の意味でクライエントの力になっているのでしょうか?クライエントの「向き合う力」を奪っていないでしょうか?
本音で関われない関係性が生み出す孤独感
過度に安全な関係性を優先するあまり、クライエントが自分自身と向き合う力を失ってしまうことがあります。支援者が本音に踏み込まず、表面的な共感や同調にとどまることで、クライエントは安全地帯から抜け出せず、変化の機会を逃してしまうのです。
その結果、クライエントは本音で関わり合えない関係性に陥り、孤独感を強めてしまう可能性があります。表面的な安心感は得られても、心の奥底から感じる安心感や信頼感は育まれず、真の意味での回復や成長にはつながりません。
支援者として、クライエントの変化を促すためには、ただ優しく寄り添うだけでなく、時には勇気を持って本質的な問いかけをすることが求められます。クライエントが自分自身と向き合い、変化への一歩を踏み出すためのサポートをすることが、真の支援者の役割ではないでしょうか。
AI時代、生き残るために必要な技術とは?

では、AIに真似できない技術とは何でしょうか?
それは、
- “直感”を使った深い洞察力
- クライエントの「言葉にできない違和感」に気づける力
- 問題の本質を瞬時に掴む力
- 成功率を高める行動設計の力
- 再現性ある変化を導くスキルの体系化
多くのカウンセラーが「今日はうまくいった」「すごく深く話せた」と感じる瞬間があるかとおもいます。しかし、それを言語化し、構造化し、再現できる形に落とし込めているでしょうか?
それが出来ている人はごく一部です。
私たち人間には「直感力」が備わっているので、言葉の背景にある思いに気付くことができます。それを意図的に使えるようになるか、感覚で終わらせるかが求められるかどうかの分かれ道になるでしょう。
再現可能な技術へ。これができる人こそ、AIには真似できない“人間ならでは”のカウンセラーとなります。
行動変容が起こると体の不調も解消されていく
人は心の葛藤やストレスが原因で、自律神経やホルモンバランスに影響を及ぼします。
例えば、
- 言いたいことが言えずに胃痛が続く
- 常に緊張して肩こりや頭痛が治らない
- 罪悪感や無力感で過食・不眠が止まらない
こうした症状は、「思考と感情のループ」を断ち切ることで、劇的に改善するケースも少なくありません。
短時間での認知変容や行動変容を導けるカウンセラーは、医療や整体に頼らずとも、根本的な改善をサポートできるのです。これからの世界は予防に力を入れていきます。
つまり、心理面からのアプローチで体を変えることができるカウンセラーは、価値が高まっていくということです。
「心の底から大丈夫」と思えるアプローチができるために
究極的に、クライエントが欲しているのは安心感や希望です。
それは言葉だけで与えられるものではなく、
- カウンセラー自身が認知の偏りを修正し、ニュートラルに判断できる
- 繰り返してきた自身の課題がクリアになる体験をしている
- 本質で対話する姿勢
ここができるようになったときにはじめて、本当の意味で話が聴ける状態になります。そうではない段階では、カウンセラーの常識や判断基準がカウンセリングに影響を及ぼしてしまいます。
そのため、カウンセラー自身の内面がクリアであることが、最大の技術でもあるのです。
認知の歪みを修正し、自分自身の課題に向き合い、整え続けること。 これができると直感力も自然と高まっていきます。
最後に

カウンセラーが技術として習得しておいた方がいいことをまとめると
- 自分の技術を言語化・構造化する
- 行動変容を起こす力をつける
- 身体症状と心の因果関係を理解する
- クライエントの本音を引き出す直感力を磨く
- 自分の内面の未解決課題に取り組む
数年の間は、単純にカウンセリングという仕事がAIに置き換わるのではなく、 浅いカウンセリングがAIに置き換わっていくでしょう。個人的には将来的に無意識もすべて言語化できる技術も一般的になると思っています。
ですが、そこに至るには倫理的な問題などもありまだ時間がかかるのではないでしょうか。それまでの間、しっかり深いレベルの問題に自他ともにアプローチができればまだまだ代替できない存在になります。
人間にしかできない領域を深め、 「この人じゃなきゃ無理」と言われる存在になる。
それが、これからの時代を生き残るカウンセラーの姿です。
リカバリーセラピスト養成講座では
①直感力を活用した再現性の高いカウンセリング技術の習得
→言葉の裏に隠れている認知の偏りや本質的な課題がわかる
②認知行動変容に特化したカウンセリング手法でクライエントの体感が速い
③技術練習を中心にし、自身の技術に関してフィードバックを受けることができる
④カウンセラー自身の心理的を解消していける
練習に参加するほど、感動を届けることができるメンタルセラピストに成長していtているので、AIに負けない技術力を求めている方にはピッタリでしょう。
興味ある方は養成講座についてお問い合わせいただくか、もしくは、一度リカバリーセラピーを体験してみてくださいね。体験講座も個別対応が可能です。