クライアントの人生を変えることへの恐怖心
こんにちは。当協会サポートセラピストの七海ひかりです(^^)
カウンセラーとして相談に乗ることが増えてくると、「自分の言葉が相手の人生を変えてしまうかも…」という恐怖心は抱いたことがあるかもしれません。
救いたい気持ちが強いからこそ、クライアントと関わることへの責任感を感じてしまうのかもしれませんね。
カウンセラーとして歩み始めた初心者さんの中に多いのは、
・カウンセリングで人の心に寄り添える自信がない
・失敗して余計に体調を悪くさせてしまったらどうしよう
・人生の選択肢を誤らせてしまったら申し訳ない
とにかく失敗することや相手へ影響を与えることが怖くて、カウンセリングの時間自体が恐怖になってしまっている方もいらっしゃいます。
責任を負いたくない思いの背景にあったのは
実は私にもこの課題はありました。簡単にですが紹介させていただきますね。割とこの課題は見え隠れしていたところでもありました。
目の前の人は助けたい。セッションも楽しいから、他のどんな仕事よりもやりたい。やりたい!と思って企画したはずのものも、期日が迫るにつれて腰が重くなってしまってしまう。
知り合いにもお知らせしたけど、迷惑だったのではないか?その時はメールの返信がなかったので、迷惑に感じられていたら謝りたいとまで思ってしまっていました。
それはなぜか?
↓
相手が求めているならいいけど、求められていなかったら申し訳ない。
相手に合わせた方がいいと思っている。
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自分ではなく、相手の出方で方向性を決めようとしていることに気づく。
相手に決定を委ねてしまっている。責任を負いたくない。
なぜ責任を負いたくない?
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自分で決めたくない。
決めたら全力を出してやらなくちゃならない。
決めたらやらなきゃならない。
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楽しいけどエネルギーを使う。疲れてしまう。
やりたいけど、これ以上はもっと忙しくなって大変になっちゃう。
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今以上に家事や仕事が回らなくなる。
疲れると自分のペースでできなくなる。
疲れて動けなくなると自由でいられなくなり、制限がかかる。
とにかく縛られることへの嫌悪感。閉じ込められてしまうような絶望感が根本にありました。
助けたい、やりたい。でもその分仕事が増えていくことで、身軽さや自由さが失われていくことへ強い絶望感がありました。
母の因縁から引き継いでいるものではありましたが、他人の言動などで自分の方向性を変えてしまうのは無責任であること、「できるから」で受け入れすぎて自己犠牲になっていたなって思えたところでブロックが外れました。
クライアントの課題を自分のものにはしない
さらにお伝えしたいのは、相手の課題は相手のものであるということ。
それって当たり前でしょ?と思われるかもしれませんが、カウンセラーなど対人支援者にありがちなのは、相手を変えなきゃならない、時間内で悩み解決に向けて良い状態に持っていなければ…と必死になってしまうこと。そこに使命感を感じすぎてしまうことです。
どんなに力になりたくてもクライアントの人生はクライアントのもの。相手の人生をカウンセラーが代わってあげることはできないわけです。
心理学では「課題の分離」という「自己と他者の課題は明確に分け、互いに踏み込みすぎない」という考え方があります。他者と自己の課題の境界線が曖昧だと、コントロールできない相手のこともどうにかしようとしてしまうため自己犠牲になってしまいやすいのです。
自己と他者の課題を分離する時の考え方
職場や家庭では誰かしらと関わりが生じるため、他者の言葉や行動に悩まされるといったこともあると思います。抱えている悩みが自分への課題なのか?それとも相手のものなのか?判断基準の参考となる考え方としては、
・最終的な結論を出すのは誰なのか?
・その責任を負うのは誰なのか?
この2つでぜひ考えてみましょう。
例えば、「会社の上司が自分の頑張りを評価してくれない」という悩みはあったとします。
先ほどの考え方で見ていくと、
・最終的な結論を出すのは誰なのか?→上司
・その責任を負うのは誰なのか?→上司
つまり「評価をする」のは上司であり、どんな評価をするのかはコントロールできるものではない。つまり課題があるとしたら、それは上司のものということになります。
ここに自己の課題があるとしたら、どうして「評価してくれない」と感じているのか?そこに対してどう感じているのか?というところでしょうか。
評価をするのは上司。その評価を受け入れられていない自分がいるわけですね。「評価してくれない」ことが自己の課題なのではなく、「評価を受け入れることができていない」ことが課題に上がりそうです。
こんなふうに切り分けて考えることで、自己と他者の課題を分けられるので向き合うポイントもわかりやすくなります。
カウンセラーに必要な力は「信じること」
相手を心の底から「信じる」ことがセッションの質を大きく左右させるのかもしれない、と最近ではよく感じるようになりました。
昔受験などで結果発表があるたびに、母親が「まあ、大丈夫って思ってたからあんまり心配していなかったよ」っていってくれていました。
当時はもう少し気にかけてくれても…と思ってはいたのですが、持っている力を信じてくれていたからこそ必要以上に勉強へのプレッシャーを感じることなくできていました。そのおかげなのか、今の探究心が極まっていったのかもしれません(^^)
相手を心から「信じる」って実は難しいことかもしれません。でも、どんな人も課題を乗り越える力を持っているし、乗り越えられる。本来あるものなのに、固定概念や同調圧力の中で押し潰されてしまっているだけ。
自分でも自分の力が信じられない!という方も珍しくはないので、まずは自分自身を信じられるようになることが大切です。
まずは自分の内面と向き合ってみてくださいね♪