増え続けるうつ病やメンタル不調者
ご自身は健康だと思いますか?メンタル不調はありますか?
近年パンデミックの影響による施策や感染症などによる後遺症で、メンタル不調者が急増しています。
以下はパンデミック前の統計データですが、直近3年の間で200万人も精神疾患患者さんが増えています。
この統計では実際に受診している方のみの数字であるため、受診していないけど不調を感じているといった人を含めるとさらに多くなるでしょう。
また、2022年の労働安全衛生調査によると、6割以上の事業所がメンタルヘルス対策に取り組んでいるものの、8割以上の労働者が仕事や職業生活で強いストレスを感じており、1割の人たちがメンタル不調により休職しているといったことが分かりました。実際に約6%の人は退職までされています。
医療技術は進歩しているはずなのに、なぜこのようなことが起こっているのでしょうか?
日本人は幸福度が低い
World Happiness Report 2023によると、150か国中の幸福度ランキングを見ると日本は47位、G7では最下位となりました。
ユニセフの調べでは、子どもたちに関しては38か国中、健康レベルは1位にもかかわらず、精神的幸福度は37位とほぼ最下位です。私は親として、この結果がものすごく悲しく思います。
未来引っ張っていく子どもたちに、夢も希望もないといった現実を見せているということ。これは大人たちが夢も希望も持てていないからではないでしょうか。
今までは、どれだけ経済成長が出来ているかを見ることが多かったのですが、世界では経済的な豊かさではなく、精神的な豊かさを指標とする流れにシフトしています。
物質的に、経済的に豊かになっても心の豊かさは比例して増えるわけではないといったことも、調査ではわかっており、むしろ貧富の差になり、争いや分断社会を生み出す原因にもなっているといわれています。この競争社会が、メンタル不調を生み出している原因の一つでもあります。
医療は進歩しているはずなのに、メンタル不調者が減らない理由
①過剰医療による副作用
②対症療法しかしていない
うつ病やメンタル不調者が増え続ける背景には、大きく分けるとこれら2つの原因によって起きていると考えます。
①過剰医療の現実について
健康志向・予防医療ということで、早期発見早期治療が当たり前になってきました。そのおかげもあってか、長期間内服治療をする人が増えています。
OECD加盟国の一人当たりの医療費合計と平均寿命の長さを比較すると、医療費をかけているからと言って寿命が長いといったわけではないことがわかります。
OECD健康の概要2021年より筆者作成
薬剤使用量は世界的に見てもかなり高く、内服は慢性化しています。実際に現場で高齢者を見ていても多剤併用している方がほとんどでした。こういった薬剤には必ず副作用があり、その副作用を抑えるために他の薬を飲むといったことが当たり前になっています。そして、私たち現場の医療従事者もかんたんに薬剤を追加していました。看護をこなすためには、環境や根本を整えることより薬を使った方がその時の症状はすぐに落ち着くためです。
そして実は医療の進歩によって、他の疾患は減少傾向だったり、微増状態であるものの、精神疾患患者数だけが上昇傾向が続いています。
さらに、厚生労働省に提出された精神薬の薬害を考える会が提出した文書によると、自殺対策官民連携協働会議(第1回)
全国自死遺族連絡会の聞き取り調査では、自殺者の約 7 割は既に精神科を受診中であっ
たことが判明しています。そこで、精神医療被害連絡会では、自殺者の年齢別/性別の自殺
率の推移の試算を行いました。抗うつ剤SSRIの発売以降、40 代を中心に年齢が低くなるほど自殺率は増加し、年齢が高くなるほど自殺率は減少している。
精神科受診中であっても、自殺者が減らないこと、さらに抗うつ剤の発売以降自殺率が増えているといったことが述べられておりました。
精神科分野は世界的に見てもベッド数が多く、入院期間も長すぎるとして問題になっており、医療体制の大変革が必要な分野なのです。
②はっきり言って対症療法では治りません。
うつ病などのメンタル不調にはカウンセリングなどの提供があります。メンタルヘルス対策にストレスチェックが義務化されているところや、産業カウンセラーを配置したり、外部相談窓口を設置しているところもあるでしょう。
その結果、不調を抱えている人はどれくらい減りましたか?本当に減っているのでしょうか?
多くのカウンセラーは「傾聴と共感」でカウンセリングをすすめます。
カウンセラーはアドバイスを手はいけない、ひたすら相談者の苦しみに寄り添うよう、学んできているんですよね。私たちも心理学の勉強ではそのように教わってきました。
では、寄り添うだけでその人が抱えている問題は解決が出来ているのでしょうか?
その時の苦しみといった感情は、緩和されると思います。でも、根本的な問題はその苦しさではありません。
だから、カウンセリング効果を感じない人も圧倒的に多く、カウンセリングを継続できない人がいるんです。産業カウンセラーを導入しても、あまり効果がないといった意見も多ければ、継続フォローができません。
苦しさを生み出している正体は、その人自身の捉えかた、解釈、思い込み、そういったことの影響によってコミュニケーションに歪みが生じてしまうからです。「性格だから」と諦めている人が多いのですが、性格は思考や意識でも変わっていきます。
薬を飲んでも、話を聞いてもらっても、その思い込みまでは変わりませんよね。
誰かに「なぜそう思うの?」「そう思うようになった背景は?」と当たり前を崩していかない限り、いつまでたってもその人の視点は変わらないわけです。
メンタル不調の改善と幸福度を高めるには自分を知ること
表面上の苦しさを取るだけで、問題解決を目的としない場合は傾聴と共感でいいでしょう。
その人の人生を前向きにしていきたい、そして周りの人たちとの関係性を変えていきたいといった場合は、認知行動療法が必要です。
これはうつ病やメンタル不調を抱えている人だけではなく、全員が対象です。思い込みはメンタル不調関係なく、すべての人に存在しており、小さなことから大きなことまで毎日「誰か」に対して感情が動ています。
「誰か」がいてこその、生活なので、「誰か」に対しての思い込みは、人間関係の幅を狭めてしまうわけです。
例えば、ちょっと口調が強めの人がいた場合、その人に対して強く言えず、機嫌を損ねないよう気を遣うことがあるかと思います。これも、その思い込みの一つです。
怒らせたらこうなるんじゃないか?自分で勝手に作り上げてしまった感覚なんですよね。それがあると、自分の言いたいことが素直に言えなくなり、言えないことで何らかの自己犠牲が働いてしまいます。
だからこそ、自分自身を知る、理解するといったことがとても大事なのです。
小さな思い込みの癖が積み重なりストレスになってしまうので、多様性を受け入れるといった意味でも、組織の根本的な解決方法にもなりますよね。
人財への投資が結果にも表れます
組織の人財や利益率を全体的に底上げしたいといった場合は、今不調を感じている人だけを対象としたケアではなく、全員に定期的にセッションを提供していく方が確実です。
根本へのケアが必要な事業者様はご相談ください。当協会のセラピストは深くアプローチできる技術を持っております。4か月の養成講座終了後も継続的に練習&フィードバックをして、スキルアップに力を入れております。
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