カウンセリングでは、どのような目的で行うのかによってアプローチ方法が異なります。
カウンセラーとしての活動先を探す場合や学びたい!という時。ご自身がクライアントとどこまで関わっていきたいのか?カウンセリングを行う「目的」をしっかりとまずは明確にしていくことが必要です。
どのような目的でカウンセリングを行なっていくか
例えばどのような目的があるのか考えていきましょう。
①悩みや愚痴聞き(共感と傾聴中心の対応)
②経験に基づくアドバイスなど知識提供型
③苦しさの根本解消型(認知行動療法や潜在意識の書き換えなど)
大きく分けるとこんな感じでしょうか。
まだまだあるかもしれませんが、一つ前置きとしてお伝えしたいのが、どのアプローチが良い・悪いではないと思っています。
支援者側が「どのような悩み・状況にある」人を助けたいのか、そしてその人が「どこまでを求めているのか」。ここをしっかり把握と設定をした上で進めていくところが重要です。
ここの境界線が曖昧だと、クライアントの求めるものと支援者側が提供できることのマッチング不良が起きやすくなります。
その結果、クレームや満足度の低下につながっていく可能性もあるため、そういった意味でもしっかりと棚卸し作業をされてみるといいかもしれません。
問題解決型カウンセリングの特徴
特徴①共感しすぎない
カウンセリングの場面において、クライアントの言葉に共感や傾聴することはもはや当たり前すぎるスキルなのかもしれません。
しかし、実はカウンセリングを行う目的が問題解決に導いていくという目的の場合には共感はしすぎないほうが良いと言われてきています。
共感・傾聴の場合、一時的には苦しさが緩和されスッキリするかもしれません。ただ聴いているだけではクライアントが持っている課題への意識を向けにくくなってしまいます。問題解決を目的とする場合には、話は聴きつつ「なぜこの問題が起きているのか?」冷静に考えて、しっかりとクライアントの持つ悩みや価値観、信念を聞いていくことが大切です。
特徴②中立的な立場を保つ
カウンセリングを行う方については、クライアントが安心して感情や考えを表現できるように環境を提供することは、きっと皆さんも意識されているのではないでしょうか。
例えば、家族関係で悩むクライアントに対して、カウンセラーが特定の家族の批判や意見を汲みとる態度を示されたらどのように感じるでしょうか?本当に感じている感情や意見を話してくれなくなってしまうかもしれません。
カウンセラー(支援者)は、あくまでも中立的な立場を保つからこそ、クライアントは感じていることをオープンに話すことができ、結果的に必要な解決策を一緒に導き出すことへとつながります。
特徴③苦しさの背景を引き出せる
カウンセラーはクライアントの苦しい思いの背景を理解することで、その問題の根本原因にアプローチし、適切なサポートを行うことができます
もしも目の前に、不眠に悩むクライアントがいた場合。皆さんならどのような解決策を思い浮かべますか?
・枕や寝具を自分に合ったものにする
・入眠前の環境調整を行う
・日中の過ごし方をヒヤリング、運動や日光浴でリズムを整える
・睡眠導入剤の使用を検討する
様々な方法があると思いますが、環境など外側を整えるだけではクリアにならないこともあります。「不眠」という悩みを根本から解決させるには、奥に潜んでいる「原因」を見つける必要があります。
例えば、カウンセリングを通してクライアントが仕事のストレスに対して過剰な責任感からくる自己批判に苦しんでいることが明らかになったら…。ここの認識を変えるための具体的な介入ができますね。睡眠環境を整えるだけでは、対症療法になってしまいます。
心と体は繋がっているので、当たり前のように抱えている人間関係トラブルや生活でのちょっとした悩みが影響を与えていることは珍しくありません。
このように苦しさの背景を明確にすることは、問題の根本解決には必要なプロセスとなると感じています。
まとめ
カウンセラーの民間資格は、ネット上でもたくさん見つけることができます。通信講座で数万円〜というものもあり、学ぶチャンスはたくさんあるということでもあるのですが、カウンセリングの相手は「人」。対人支援なのです。知識をつけることはできても、実際のカウンセリングを行うまでにはトレーニングが必要です。
資格をとってその後のサポートが不十分なケースもあるので、繰り返し学べたり、カウンセリング練習・フィードバックの機会が整っている場所を選べると良いかもしれません。