看護師×お金の予防医療とは

私は起業当時からファイナンシャルナースとして活動してきましたが、
看護師であり、お金の流れがわかる人って結構需要があり、社会的にも求められているのではないか?と感じます。

看護師だからこそ患者さんや相談者の方にとって、身近な存在で寄り添っていくことができますよね。

私は離婚に悩む人やシングルマザー専門に情報を発信し、相談を受けてきましたが、

「看護師だから安心できる」
「子どものことも相談しやすい」
「話しやすくて、いつも頼ってしまう」と

お声がけいただくことが多いです。

さらに、モラハラを受けてきた方は、精神的にも不安定な状況になっているケースが多く、
うつ、適応障害、アルコール中毒、摂食障害など抱えている方もいらっしゃいます。

”病気は病院に”と突き放すことなく、病気を抱えているからこその悩みも、セットで相談できる良さ
がファイナンシャルナースにはあります。

そして、生活を立て直したくても、病気のこともお金のことも
どちらも解決していかなければならない課題なので、
お客様が安心して両方相談できることがファイナンシャルナースの強みではないでしょうか。

お金の問題を抱えていると効果的なケアができない

以前、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会の認定資格)の研修で
世界的に活躍されている臨床心理士の方からお話を伺いました。

その時、「カウンセリングを始める前に、ほとんどのケースでお金の問題解決を先にする」
と話されていたのが印象的でした。

そして、その話はすごく腑に落ちたんです。

お金の問題を抱えた状態では、効果的にケアができません。

・仕事を休まなければならない。
・治療をしなければならないけど治療費が心配。
・生活のためには早く働かなきゃいけない。
・生活費の支払いで焦り、気持ちが落ち着かない。

など

病気には常にお金の不安が付きまといます。

しかもこのお金の不安って強烈に恐怖に結び付いてしまうんですよね。

この状況ではストレスが強くなり、病状が悪化してしまうことが容易に想像できます。

私自身も、抑うつで休職したときは、当時の旦那も会社が倒産して無職になったため、
ドクターストップがかかっていたのに、お金の問題で復職しました

さらにお金がギリギリだと働き方を変えたくても「収入を落とせない」という不安があるため、
なかなか踏み出せないんですよね。

弁護士や司法書士のもとに借金の問題で相談に来た人の35%が自殺を考えたことがあるそうです。

さらには返済が困難になっても50%以上の人が相談しないという統計
(多重債務問題の現状と対応に関する調査研究、独立行政法人国民生活センター2006)もあり、
お金の悩みはとても深刻な状況であっても人には相談しにくいという性質から、
問題がどんどん大きくなってしまうのです。

ファイナンシャルナースが社会的課題の解決につながる

ファイナンシャルナースとしての活動はSDGsで考えても重要な役割を持っています。

私の活動の場合ですが

1、子ども、シングルマザーの貧困問題
3、すべての人に健康と福祉を
4、質の高い教育
5、ジェンダー平等
8、働きがいと経済成長

17の目標のうち、この5つの課題解決につながります。

SDGs 世界を変えるための17の目標

さらには社会保障費を圧迫している医療費問題
こちらも看護師とFPの視点から課題解決の役割を担えそうです。

医療費圧迫の原因は医療機関の受診率の高さや、皆保険制度による患者負担が少ないこと、
そして複雑な疾病構造により投薬量が明らかに多いこと、高齢社会など複数の原因が絡み合っています。

急性期看護をしていてよく感じていたのは

「悪くなる生活を自ら選んでいるのに、簡単に救急車を呼んで入退院を繰り返しすぎ」
「90歳を越え、認知症もひどいのに透析導入するの?」
「悪くなれば、補うために他の薬剤や輸血をして、体中膨れて、

さらに薬剤で抑えようとして、どんどん治療が増えていくけど結果助からない…」

自分で改善しようとしなくても簡単に受診・治療ができるために、
健康を意識せず薬に頼りすぎだったり、本末転倒な状況が多いなと思っていました。

診療所で働いていたときも、一応その薬もらっておくかな…と
簡単に希望する患者さんがとても多かったです。

薬局で買うより処方してもらった方が安上がりですから…。
処方された薬を周りの人に配っている人までいる始末です。

後期高齢者の医療負担割合が1割でしたら、薬代自己負担が1000円の場合、
9000円は国民が払っている状態です。

働いても働いても社会保険料や税金負担はどんどん大きくなるのも、
なかなか止められないですよね。

ただ、予防医療も危機感を感じたことがないと、取り組めないのも気持ちとしてはわかります。

そして、時間に追われた生活をしていれば、自分の体のことにまで意識が回らないですよね。

看護師はそう言った面では自分の体のことを後回しにしてしまう人が多いように感じます。

私自身も育児しながらの残業の毎日で体調を崩しました。

そして看護学生の頃から多重課題に常に追われていたので、眠っていても中途覚醒することが多く、
夜勤してからは2~3時間しか連続で眠れないという状態になっていました。

今は自分で仕事をしており、休んでしまうとお仕事にならないので、
自分の身体と向き合うことができるようになりました。

ただ、いくら知識としてわかっていても、危機感を感じる経験や、
予防医療による体調の変化を実感することがなければ取り組みにくいですし、
継続することも難しいものです。

時間にもお金にも余裕がなければ、自分の身体に意識を向けることができない人が多いのです。

健康寿命を延ばすには予防医療が必要ですが、
根本的なところを考えると、働き方やお金の問題解決が必須なのではないでしょうか。

看護師がFP(コンサルタント)と起業に向いているワケ

私が実際に起業して、ビジネススキルを学んだり、
実際に相談に乗ったりすることで感じてきたことは、看護師だからこそ向いている
ということでした。

・論理的思考
・問診:ヒアリング
・情報収集、関連図:問題整理能力
・看護計画:逆算的思考、目標の共有
・コミュニケーション能力
・多職種との連携
・マルチタスク能力、
・素早い判断力
・人を想う心

私もそうでしたが、看護師はお金のことになると、苦手意識が強い方が多いと感じますが、
FP業務自体は看護師の経験がとても活かされます。

特にリーダー業務や指導を行ってきた中堅以上の看護師は、
考え方のコツや学ぶ方向性を間違わなければ、スピード感持って活躍できることでしょう。

情報があふれており、ライフスタイルも複雑化しているからこそ、
お客様の悩みもとても複雑に絡み合っています。

入院時や初診時などの情報収集は、忙しいなか短時間で
患者さんの全体像を把握しなければなりません。

そのためにあらゆる情報をその時間内で聞き出しますね。
そのスキルは一般人と比べると優れています。

しかも患者さんは情報がとびとびになることが多いので、
しっかり情報を整理しながら聞き進めることができていると思います。

さらに、一分一秒を争う現場に遭遇することもあり、

短時間で情報を整理し、関連付けて今必要なことが何なのか、考える能力は相当高いはずです。

お客様とかかわる時間も限られているので、
いかにその時間内に情報をえて、課題を見つけ出せるかが、
コンサルタントのスキルでは重要なので、
業種は違っても日々やってきたことは多職種でも活かせるのです。

そして一番は、自分のことよりも患者さんのことを考えてしまう使命感、責任感

一番必要な部分だと思います。

患者さんや悩みを抱えている人を想う心は、人一倍強く、
さらっと熱い思いを持っている人が多いように感じます。

様々なことを考えても、看護師×FPの可能性は広く、
まだまだ活動している方も少ないので、潜在的な需要を掘り起こしていけると考えています。

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