看護師の皆さん、自分が無意識のうちにパートナーや家族、友人を支えすぎていることに、気付いたことはありませんか?
その結果ダメンズを育ててしまったり、周りの人が中々自立できず、自分だけがいろんなことを背負い込んでしまっていたりと、身に覚えがある人も多いのではないでしょうか。
そんな頼りにされる看護師の特性には、依存を生みやすい理由が隠れているかもしれません。
看護師が相手を依存させやすい3つの理由
1.”他人のため”が依存体質に!?
お仕事の中で、患者さんのため、そしてチームのために自分を犠牲にすることが多いのが看護師の日常ですよね。
この「他人のために動く」習慣が、意外にも家族や友人の中で、自分のニーズを後回しにしてしまう原因となってしまうのです。
結果、相手が自分なしでは困ると思ってしまうといった依存、負の循環になってしまいます。
2.すごいのは当たり前!?専門的なスキルや知識に依存
「頭痛いんだけど、どうしたらいい?」なんて友人や家族からの相談、看護師には日常茶飯事。
自然とその知識や技術を求められることで、あなたがとても頼りになる存在と感じられているのです。
でも、頼りにされることが当たり前になっていくとちょっと疲れてしまいませんか?
さらには日ごろから命にかかわる仕事であり、「リスク対策」、危険予測行動も当たりまえ。常に先々の動きを考えるため、これをしたら相手はラクになるだろう…などと、働きすぎてしまうのも看護師。
3.あなたの心の察知力、実は魔法!?看護師の深い共感力
看護師って、なぜか人の心の声がよく聞こえる気がしませんか?HSP気質の人も多いため、患者さんの細かな心の動きに気付くその能力、家族や友人に対しても常に発揮されていることでしょう。
でも、その優れた共感力が、気付かぬうちに相手の心に深く寄り添い過ぎてしまうことも。
相手を依存させないために必要なスキル
「私なしではどうしようもない」と感じてもらえることは、一見うれしく感じられるかもしれませんね。
しかし、それが長期にわたると、相手の成長の妨げになったり、自分自身のストレスにつながることも。そこで、相手を依存させないために必要なスキルを、日常でのちょっとしたシーンを交えながらご紹介します。
相手の考えを尊重する
友人が「このドレス、似合うかな?」と聞いてきたとき、あなたならどう答えますか?「それ、素敵だよ!」と即答するのも良いけれど、「どんな雰囲気にしたいの?」と質問してみるのも一つの方法。
相手の意見や考えを前面に出し、その上で助言することで、相手が自分の判断を信じる力を育てる手助けになります。
ヘルプを待つことの大切さ
子どもや後輩が困っている姿を見ると、つい手を差し伸べたくなりますよね。しかし、時にはその手を止め、相手が自ら解決策を考える時間を与えることも大切。小さな日常の中で、ちょっとした「待つ」ことが、相手の自立をサポートします。
自分の感情の管理
仕事では自分の意見を言えたとしてもプライベートでは争いごとやトラブルを避けたいがために、自分の思いよりも相手の意見を尊重することが多くなってしまいます。その積み重ねが小さなストレスと自己犠牲の始まりです。忙しい中でも、自分が感じた違和感と向き合い、自分はどんな感情を持っていたのか?アウトプットする習慣を持っていくといいでしょう。自分の感情に気が付けるようになってきたら、外に出していくといった作業をしてみましょう。
共依存や自己犠牲がつらい看護師は
看護師をはじめ多くの人が関係性の中で無意識に陥りがちなパターンです。依存されやすい人は、相手から頼られる自分に価値を感じているため、気づかずうちに共依存に陥っていること多いのです。
これらを手放すためには、まず自覚することから始める必要があります。以下、共依存や自己犠牲を手放すために必要なステップや取り組みをご紹介します。
自己理解・セルフケアの実践
自分自身の感情やニーズに耳を傾け、それを大切にすることで、他者への過度な依存や自己犠牲を減少させることができます。
自分が無意識レベルで何を感じているのか、セルフカウンセリングをしてみましょう。問題となる出来事に対して、何を感じているのか?なぜそう感じてしまったのか?なぜそのような行動をとっているのか?自分の無意識の行動や考え方を深掘りし、無意識を意識化してみましょう。
境界の設定
他者の問題と自分の問題をしっかりと区別していくことがまず必要です。
例えば、目の前で子ども同士がけんかをしているのを見てイライラする場合
①けんかをしている子ども同士の問題と、②けんかを見てイライラする自分自身、2つの問題がここには存在しています。
ですが、多くの場合子のイライラの原因を子どものけんかにしたまま、自分自身と向き合えないかたも多いのではないでしょうか。
子ども同士のけんかには、お互い劣等感や受け入れてくれないことの孤独感などが原因として存在していたります。
自分自身がイライラすぐ原因には、母として止められ・問題解決ができないことや、うまく育てられないこと、自分の時間を邪魔されることなど様々な問題があります。
このようにパートナーや家族・友人による依存でも、依存されてしまっていると思う自分自身について、もっと深く見ていくことが必要です。
他者の問題と自分の問題を区別できるようになってくると、共感しすぎによる疲労感も減らせることができ、依存や自己犠牲感も徐々に緩和されていきます。
適切なコミュニケーション
感情や考えを正直に伝えることで、互いの理解を深め、健全な関係を築くための土台を作ることができます。「私はこう思う。」といったアサーション(自己主張と他者の尊重を両立させたコミュニケーションスキル)を意識していけるといいでしょう。
また、伝えることに抵抗がある場合は、この抵抗感をセルフカウンセリングしていければ、もっと伝えることがラクになります。
自己価値の再確認
自分の価値は他者との関係性や役割に依存しているわけではない、ということを再認識することが大切です。
他者の評価や期待にとらわれず、自分らしい生き方や価値観を大切にして生きることが重要です。
適切なサポートの活用
専門家やサポートグループ、信頼できる友人や家族との対話を通して、自己犠牲や共依存のパターンを変えるための手助けを受けることが有効です。
いきなり行動を変えようとすると苦しくなりやすいため、認知面(当たり前になっている固定観念や思い込み)を理解し、消化してから行動を変えていけると、こじれていた関係性ですら再構築することができます。
最後に
最終的には、自己犠牲や共依存となった場合、相手と距離を置くのではなく、向き合い、互いに支え合い、成長しながら共に歩んでいく関係性を目指せると、ご自身の可能性も大きく広がっていきます。それは一歩ずつ、日々の意識や行動の中での取り組みから築いていくものです。一つ一つ問題と向き合っていきましょう。
もし、どうしても自分では向き合いきれない。自分に問いかけがうまくできないといった方は、セルフカウンセリングの方法を学んでみるとよいでしょう。60分無料セッション付きの個別講座を行っているので、うまくご活用ください。