副業や起業に興味はある。
でも、いざ考え始めると急にハードルが上がることはありませんか。
商品を考えて、発信して、集客して、価格を決めて、売っていく。
さらに、続けるための仕組みまで整えるとなると、気持ちが止まってしまう人も少なくありません。
特に看護師は、責任感が強い人が多いです。
「何かを始めるなら、ちゃんと形にしてから出したい。」
「中途半端なものは出したくない。」
「相手に迷惑をかけたくない。」
「自分の知識や経験に、本当にお金をいただいていいのか迷ってしまう。」
でも実際には、収入を作る方法はひとつではありません。最初から全部を考えなくても始められる働き方はあります。
もちろん、考える量が少ない働き方ほど始めやすい一方で、自由度や利益率、やりがいは下がりやすいこともあります。反対に、自分が本当にやりたいことを仕事にしていくほど、最初は考えることが増えやすいです。
この構造を知らないまま、「やりたいこと一本でいく」と考えると苦しくなります。
だからこそ大事なのは、全部を一気にやろうとしないこと。
本命の仕事と、生活を守る収入を分けて持つ。 この視点があるだけで、副業も起業も持続可能なものになります。
収入は「優劣」ではなく、「役割」で考える
収入源を考えるとき、どれが上か下かで見るよりも、役割で分けて考えると整理しやすくなります。

たとえば、次の3つです。
- 生活を守るための収入
- 時間を切り売りしすぎないための収入
- 自分のやりたいことを育てるための収入
本命の仕事を育てたいなら、本命以外の収入源を持つのは、とても現実的な戦略です。やりたいことを大事にしたい人ほど、この考え方は必要です。
私自身も、メインの相談業だけでここまで来たわけではありません。
これまでに、いろいろな仕事を経験してきました。
- デイサービスでのパート
- 決済端末や健康商品の代理店
- サービス・商品のアフィリエイト
- ライターや事業計画書作成、イベント運営企画など委託業務
- 広告関連の代行業務
など。
正直、興味がないものはやはり続かなかったです。でも、自分で単価や働き方を選びながら収入を得られたことで、シングルマザーとして未就学児を育てながら、在宅で仕事を続けることができました。
また、様々な経験を積めたことで、今の仕事にも良い影響となり、いろんな知見を持ちながら仕事ができるようになりました。短期的な視点と長期的な視点、両方持ちながら考えていけると良いでしょう。
バイトや単発の仕事
いちばん早く現金化しやすい方法
最初に始めやすいのは、バイトや単発の仕事です。仕事内容や単価、ルールがある程度決まっているので、自分で商品を作ったり集客したりしなくても、比較的早く収入につながりやすい働き方です。
看護師であれば、次のような働き方があります。
- デイサービスや有料老人ホームの単発勤務
- 健診業務
- ワクチン接種の補助
- イベント救護
- 夜勤専従のスポット勤務
- 訪問入浴の単発勤務
こうした仕事は、「今月あと数万円ほしい」と思った時にも動きやすいです。
それだけではなく、本命の仕事を焦って売上化しなくて済む。
そこも大きなメリットです。
実際、「悩んでいる人を支えたい」「いつか相談の仕事をしたい」そう思っていても、生活の不安が強くなると発信が止まってしまう人は少なくありません。思いが強い人ほど、売上が立つ前に苦しくなってしまうんです。
そんなとき、単発の仕事がひとつあるだけで、気持ちに余白が生まれます。
もちろん、この働き方には限界もあります。時間を使った分だけ収入になるので、上限が見えやすく、夜勤や移動が続けば、体力も削られます。子育て中なら、急な呼び出しや家庭との両立が負担になることもあります。
ただし、生活を支えるための仕事に時間を使いすぎて、本当にやりたいことに手が回らなくなることもあります。それでは本末転倒ですよね。
だからこそ、「必要な分だけ確保する」「この働き方に時間を使いすぎない」そんな割り切りも大切になってきます。
業務委託や作業代行
ゼロから起業しなくても、経験を活かしやすい働き方
次に始めやすいのが、業務委託や作業代行です。これは、誰かがすでに持っている事業の一部を担う働き方です。自分でゼロから商品設計をしなくても始めやすく、起業に抵抗がある人でも一歩目として選びやすい方法です。
看護師の場合、表に立つ仕事だけが価値になるわけではありません。むしろ、現場経験があるからこそ、裏方で活きる仕事もたくさんあります。

看護師がやりやすい業務委託・作業代行の例
- 医療・介護・福祉分野の記事執筆や監修補助
- 研修資料や患者向け説明資料の作成
- 看護学生向け教材づくり
- クリニックや訪問看護ステーションの事務補助
- 講座やセミナーの運営サポート
- 相談業をしている人のヒアリングシート作成や事務局業務
- コミュニティ運営、LINE配信補助、問い合わせ対応
たとえば、病棟で新人指導や学生指導、患者や家族に何らかの指導や説明をしてきた経験があれば、「わかりやすく伝える力」があります。
また忙しい業務の合間でも端的に必要なことを伝えることが当たり前なので「限られた時間で要点を整理する力」そして症状だけにとらわれずに「生活背景を踏まえてアセスメントする力」があります。
こうした力は、自分では当たり前すぎて気付きにくいのですが、医療業界の外に出ても十分価値になります。
この働き方のよさは、自分の専門性を全部前面に出さなくてもいいことです。
「看護師として起業する」となると重たく感じても、「今ある経験を使って、誰かの事業の一部を支える」なら始めやすい人もいます。
ただし、ここにも落とし穴があります。何でも引き受けてしまうと、忙しいのに満たされない状態になりやすいんです。看護師は責任感が強いぶん、「頼まれたら断れない」「ここも手伝ったほうがいいかも」「自分がやったほうが速い」と抱え込みやすい傾向があります。
だからこそ、最初は次のような基準で絞ると続けやすいです。
- 比較的ラクにできること
- 人より少し早くできること
- やっていて強いストレスを感じにくいこと
- 対人負荷が高すぎないこと
「やりたいことそのもの」ではなくても、自分の得意や消耗しにくい働き方を知る材料にもなります。
仕組み化されたビジネスに乗る
自分の商品がなくても始められる方法
代理店、アフィリエイト、紹介パートナー、フランチャイズのように、すでに商品や仕組みがあるものに乗る方法もあります。これは、商品設計や販売の導線をゼロから創らなくていいので、始める負担はかなり軽くなります。

たとえば、次のようなものです。
- 既存サービスの紹介パートナー
- 美容や健康関連商品の代理販売
- フランチャイズ型のサービス提供
- 既に仕組み化されたオンライン講座の販売協力
営業や紹介が苦ではない人には向いていることがありますし、ゼロから自分の商品を作るのが不安な時期には選択肢の一つになります。
ただし、紹介する商品について、「これ本当に必要なのかな」「押し売りになるのでは?」などと少しでも違和感がある状態で売ろうとすると、言葉にも迷いが出ます。
こういった違和感は相手もキャッチすることが多く、結果的に売れなくなるので、自分が納得できるもの、本当にいいと思えるもの、そういったサービスや商品を選ぶことがすごく大切です。
また、「営業」や「紹介」という言葉でもハードルが高く感じられることがあります。実際に私もセールスは苦手だと思い込んでいました。でも、「売る」ことではなく、「必要な情報を届ける」ことと言った感覚が腑に落ちてからは逆に楽しくなりました。
ただただ、自分のワクワクを届け、一緒にワクワクするといったことが好きな人であれば向いています。
投資
働く量を増やさずに持てる収入の選択肢
投資も、選択肢のひとつです。金融投資、積立、配当、事業投資など、いろいろな形があります。
この方法のよさは、自分が働く時間を増やさなくても、お金に働いてもらえる可能性があることです。本命事業の売上がまだ安定しない時期に、気持ちのクッションになることもあります。
また、資産が増えてくれば、自分の事業へ再投資することもできるので、選択肢を広げやすい面もあります。
ただし、投資は感情が揺さぶられやすい分野でもあります。値動きが気になって落ち着かなくなったり、減ることが怖くて本業や本命の活動に集中できなくなったりする人もいます。副業や起業の土台として考えるなら、生活費を支える主軸にしすぎないほうが安心かもしれません。
最低限、次の前提は持っておきたいところです。
- 生活防衛資金があること
- 余剰資金で行うこと
- 自分の許容範囲を超えないこと
最近は投資信託やNISAを始める人も増えています。ただ、資金力がまだ小さい段階だと、資産が育つまでに時間がかかります。さらに、出来るだけ投資に回すという考え方も、最近話題の「NISA貧乏」になりやすいので注意が必要です。
「今」を豊かにするには向いていない手法なので、今の収入ベースを上げたい場合は、副業や起業など収入源を増やすということがいいのではないでしょうか。先に収入のベースを上げてから、運用していくなど、タイミングやバランス等も考えておきましょう。
看護師がつまずきやすいのは、「できること」が多すぎること
これは私も陥ったことが多いというよりも、良く陥りやすい状況なのですが、看護師が副業や起業で止まりやすい理由のひとつは、能力がないからではありません。むしろ逆で、できることが多すぎることがあります。
病棟経験がある。
外来経験もある。
患者対応も家族対応もしてきた。
指導もしてきた。
記録も書ける。
多職種連携もできる。
それだけ経験があるから、マルチタスクが当たり前になりやすい。
ハードな環境にいた人ほど、自分で抱える量を増やしてしまう傾向があります。
しかも、日常的にやってきたことだから「やって当たり前」という感覚になるため、自分の経験の価値を過小評価しやすくなります。でも、病院の外に出ると、それが価値になる場面は意外とたくさんあります。
たとえば、こんな経験は仕事につながる種になります。
- 患者さんへの説明をわかりやすくしてきた経験
- 不安の強い相手に寄り添ってきた経験
- 状況を整理して優先順位をつけてきた経験
- 他職種との調整をしてきた経験
- 忙しい中でも安全に回す工夫をしてきた経験
これらは、相談支援、教育、資料作成、講座設計、コミュニティ運営、企業向け研修など、いろいろな形に変えられます。
結局、何を選ぶのがいいのか
どれが正解かというより、組み合わせは自由なのでやろうと思えば何でもできます。それがかえって迷いの原因にもなります。
生活を守りながら、本命を育てたい人
- 単発の看護バイトで生活費を補う。
- 空いた時間でSNSやブログを発信する。
- 将来的に、相談サービスや講座につなげていく。
起業は怖いけれど、病院以外でも働いてみたい人
- 医療・福祉分野の業務委託を受ける。
- 裏方の仕事で収入を作る。
- その中で、自分の得意や向いている働き方を見つけていく。
本命のテーマはあるけれど、まだ売れる形になっていない人
- 既存の仕事で生活を安定させる
- 小さくモニターや発信を始める
- 少しずつ商品や導線を整えていく
あれこれ考えすぎると、結局動けないまま終わってしまうので、心が動いたら挑戦してみるのが良いでしょう。そうやって色々動いているうちに「私の働き方」の軸が育ってきます。
まとめ
全部を考えなくても始められる副業や収入の作り方はこの世の中にはたくさん存在しています。ただ、誰でもやりやすい仕事は自由度や利益率、やりがいがなくなってしまうことも多いでしょう。
だから考えておきたいのは、どの働き方が上か下かではなく、その収入がどんな役割を持っているか。
- 生活を守る収入なのか
- 時間を買い戻す収入なのか
- 自分の生きがいになる本命なのか
この整理ができると、心理的なハードルも下がっていきます。
本命を守るために、本命以外の収入源を持つ。 それは逃げではありません。長く続けるための堅実な戦略です。
看看護師として積み上げてきた経験は、病院の中だけで終わるものではありません。
ただ、その価値をいきなり全部「起業」という形にしなくてもいいんです。
今の自分にできる形で、役割の違う収入を持ちながら、少しずつ本命を育てていく。
そのほうが、無理なく続けやすい。
そして結果として、自分らしい働き方にもつながっていきます。
関連記事
・認知行動療法がもたらす看護師の心のケア方法
・看護師が収入UPのためにできること
・【副業・起業】収入に繋げる10の方法と深掘り
・看護師は起業に失敗しやすい!?
・シングルマザー:副業・起業を成功させるために必要なお金の考え方